らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1320. ライティング編:ワンランク上の表現にする英語[8]--- 「例」の示し方

Context: コロナ感染を防ぐため、最近は電車を利用せずに自転車で通勤する人が増えているという。コロナがおさまっても、その便利さと快適さを知り、自転車通勤を続けている人が多いようだ。博物館で自転車の歴史を展示しており、次のように書いてあった。



多くの人は様々な理由で自転車に乗ります。例えば、足として。そして、もちろん運動のため。しかし、それだけではありません。個人の解放、自己表現、仲間意識も自転車に乗る理由です。





Many people take to their bicycles for many reasons: for transportation and exercise, but also for personal liberation, self-expression, and group identity.



【ポイント】コロンを"for example"の代わりに使えば、多くの例を挙げることができる。



今日の「ワンランク上の表現にする英語」は、「例」の書き方の一例を挙げてみたいと思います。一般的なものは、"First"や"Second"といった副詞を使って整理するものです。この場合、例は大抵3つくらいです。文頭に持ってきて、"First,....."、"Second,...."として、最後であることが分かるように、"Finally,...."とする場合が代表的な形です。


今日は、コロン(:)を使った形をご紹介します。


上のContextは、実際のニューヨーク市博物館の掲示板の英文をサンプルとしてとりあげたものです。


分解してみますね。


Many people take to their bicycles for many reasons:
多くの人は様々な理由で自転車に乗ります。


日本語には読点である「。」を付けますが、英語ではコロンを使っています。


そして、"for many reasons"の内容を、コロンの後に続けます。コロン自体が"for example"の役目をしています。


一つ目。


:for transportation and exercise,
例えば、として。そして、運動のため。


一つ目ですが、もうすでにこの中に"and"を使って"transportation"(交通手段)、"excercise"(運動)の2つの理由を述べています。
最後はピリオドではなく、カンマを使います。


二つ目。


but also for personal liberation, self-expression, and group identity.
しかしそれだけではなく、個人の解放自己表現仲間意識のため。


学校でならった、"not only A but also"の"not only"を使わず、後ろの"but also"のみを使っています。


そして、理由の部分の頭を前半で2つ、後半で3つとりあげ、それぞれの頭に"for~"を置いて形を揃え、リズムを作っています。そして後半の"for"の枠組みの中では、
"A,B, and C"(Bno後のカンマはないものもあります)の形を使う、というワザです。


このワザは、今回のように例が短い単語のみで、リズムが付けやすい場合に効果があります。このワザで全部で理由はいくつ挙げられたでしょう?---- 5つです!


見事な英文でした。。。


"not only A but also B"では、"not only A"を使った場合、後ろの"also"を省略する場合もあります。


今回の場合のように、Aの中にすでに"and"もはいっていたので、"not only"はないほうがスッキリしています。しかし、この場合は、"but also"の"also"は省略しないほうがいいですね。細かいワザが光っていました。



ワンランク上の英文を書くためのまとめ (例を挙げる場合)


● 多くの例を挙げる場合に、コロンを使ってみる。


● "not only A, but also"を応用し、同時に"and"も使って、ただ並べるだけの例の表示を避ける。


さあ、書いてみましょう!


今日の一節を参考にしながら、コロンを使ってその後で4つ以上の例を書いてみましょう。できたらコメント欄で送ってね。


明日は、引き続きワンランク上のライティングのワザとして、「セミコロンの使い方」を取り上げます。
読んでね。

Engllishラボのらぼでした。