らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1328. ライティング編:ワンランク上の表現にする英語[11]---付帯状況を"with"で表す。

Context: 娘の学校は、来週から2学期が始まるのだが、子供の感染者数が増えているため、学校側はしばらクラスを2つに分けて、週3回の登校を予定している。その仕組みはこうだ。


一つのグループは、火曜日と木曜日に登校し、もう一つのグループは水曜日と金曜日に登校する。そして、月曜日はその2つのグループが交代で隔週登校するのだ。



One group might attend school on Tuesdays and Thursdays, with the second group in classes on Wednesdays and Fridays, while Mondays alternate weekly between the two groups.
(英文はThe New York Timesの記事からのものです。)




【ポイント1】文章力をつけよう。


今日は、いわゆる「付帯状況のwith」といわれる手法を使って見ましょう。難しそうな言い方ですが、「付帯状況の"with"」というのは、ひとつの動きや状態と、同時に起きている別の動きや状態を付けて表現するものです。


私は寝ました。電気はつけたままでした。という2つの短い文を、「私は電気をつけっぱなしにして寝ました。」にしてみます。


I was sleeping. The light was on.


接続詞を使った場合。
I was sleeping, and the light was on.
The light was on while I was sleeping.
などが考えられます。


"with"を使った場合。
I was sleeping with the light on.


になります。
こうすることで、寝ていた時の周りの状況が加わって、読み手にはその時の様子が頭にうかんでくる効果があります。



【ポイント2】"with"を使った付帯状況の作り方。


そもそも、もうひとつ文を足す感覚で使いますから、"with"の部分は文頭に持ってきてもいいし、もう一つの文の後につけても構いません。


ポイントになるのは、「動詞」です。


① "be動詞"はいらない。
② 動詞は、「分詞」にする。


「分詞」というのは、


現在分詞 (進行形で使う)"~ing"の形。
過去分詞   (受動態で使う)"~ed”(不規則に変化するものもあります)の形。


これだけです。日本語では、


現在分詞を使っていると、「~している」
過去分詞を使っていると、「~された」


という、それぞれ「進行中」や「受け身」のニュアンスが表れます。(日本語表現は文の流れでさまざまになります。)


実例を見ながら確認します。



【ポイント3】かなり頻繁に使われている、"with"の付帯状況。


特にジャーナリスティックなものでは、文が短くなったり、イメージを浮かべやすくなったりするのでよく使われます。


実例1.


The museum collection includes a whopping 100,000 objects, with highlights including the Norwegian Baldishol tapestry from 1150, Munch’s ‘The Scream’ and an array of Golden Age Flemish landscapes.


この博物館のコレクションは、10万点にも及ぶ収蔵品を誇り、その見どころとなる作品には、1150年に制作されたノルウェーのバルディショールタペストリー、ムンクの「叫び」、黄金時代のフランドル風景画などがあります
Time Outという情報サイトから、ノルウェー国立美術館についての記述の一部です。)


説明:


「その美術館のコレクションは10万点の収蔵品がある」ということを述べてから、"for example"として例をあげるのではなく、


「その美術館のコレクションは10万点の収蔵品がある」のあとに、"with"を置いて、この後に、前の文にくっついている内容がくることを示唆し、


目玉になる作品(→heighlights) 
~を含んでいる (→"include”を現在分詞の"including"に変える)


としてから、
例を3つ、"the Norwegian Baldishol tapestry from 1150,    Munch’s ‘The Scream’ and an array of Golden Age Flemish landscapes.
挙げています。




実例2.


 Throughout the pandemic, all restrictions were set by the state, oftentimes with stricter guidelines set for New York City than elsewhere. 
"6sqft"という情報サイトの記事より)


パンデミックの間、全ての制限は州によって決められ、その時々でニューヨーク市は他のどこ(どこの郡)よりも厳しいガイドラインが科されてきた


説明:
「パンデミックの間、全ての制限は州によって決めらた」という内容に、「市にとってほかのどこよりも厳しいガイドラインが設定された」という内容を"with"を使って、付け加えています。”stricter guidlines were set...."の"were"がないことに注目してください。


"with"の前に、副詞の"oftentimes"が入っています。




実例3.


次はフロリダのコロナの陽性件数についての記述ですが、日本でも連日言われている言い方を次のように表現しています。(Twitterのコメントり)


Florida has been experiencing spikes in positive coronavirus cases, with the state reporting its second-highest one-day rise in COVID-19 cases on Monday, at 12,624 new cases. 


フロリダはコロナウィルス陽性件数が急増していて、州は月曜日には新規感染者が12,624人と一日の感染者として2番目に多い数字になったと報告しました


説明:
文の構成は、次のような順番に処理しています。


フロリダで陽性件数が急増している
    + with
the state + reporting  + its second-highest one-day rise in COVID-19 cases 
州は2番目に多いコロナの一日の感染者を報告している
              +
on Monday, at 12,624 cases.
月曜日には12,624件



実例4.


"with"が文頭に来ている例です。


"6sqft"という情報サイトからの一文です。


With all of these locations closed or operating at limited capacity during the pandemic, the three libraries have teamed up to take Culture Pass digital this summer, launching a new series of more than 70 original online programs, which will be free for children and adults through August 20.


全ての博物館、美術館が新型コロナウィルスパンデミックのために閉館していたり、入館制限をしたりしていますが、この3つの図書館はこの夏、合同で「カルチャーパス・デジタル」を行っています。70を超えるオリジナルのオンラインプログラムの新シリーズを作成し、8月20日まで子供と大人に無料で公開します。



説明:
 "with....."の部分を文頭に持ってくることで、主要な部分は後ろに続いているな、ということをアピールしています。


ここでは、過去分詞で、「閉館されている」という状態を表しています。
with + all of these locations  + closed......


"with all ~”で、「~でありながら」とイディオムとして考えることもできます。


この実例には、昨日書いた「カンマ+which」がでてきている部分にも注目してくださいね。( ´艸`)




実例5.


The Japan Meteorological Agency forecasts a relatively mild Tuesday (with a high of 84 degrees Fahrenheit) with temperatures again topping 90 degrees for the rest of the week.


日本の気象庁は、火曜日は比較的穏やか(華氏84度---摂氏29度)で、今週その日以降は再び華氏90度(約32度)を超えると報じている。
abcNEWSより)


説明:
 ジャーナリスティックな書き方で、括弧を併用しながら文全体を簡潔にまとめています。


 with +temperatures + again topping 90 degrees
と、”again"という副詞が付いた形です。




ワンポイント上の英文を書くためのまとめ


● 付帯状況を作る"with"を使って、接続詞を節約しよう。


● "with"は前置詞なので、「節」ではなく「句」が続く。動詞は分詞の形になる。


● 2つの内容の「同時性」が重視される。


さあ、書いてみましょう。


"with"の付帯状況の手法を使って、50ワード程度の文を書いてみましょう。
書けたらコメント欄で送ってね。


明日は、「イタリアンの気分だなー。」です。"feel"を使わないで表現します。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。