らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1337. そろそろまとめろよ。

Scenario: 販売会議が長引いている。様々な意見が出ているが問題点が整理されず、全く進まない。そろそろみんなウンザリしているようだ。そこで進行役の同僚にこう言った。


「そろそろまとめろよ。」



"It's about time to wrap it up."



【ポイント】"It's about time"と"It's time"の違い。


"It's about time"も"It's time"も、どちらも日本語にすると「~する時間です」となりますが、会話では、使い分ける必要があります。


この2つの使い方の違いを説明します。


① なぜ、"about"がついているのか?"It's time"との違いは?


"about"は日本語で「そろそろ」、「もう~してもいいころ」といったニュアンスです。"It's time"のように、はっきり「~する時間」と言っているのではないところに違いがあります。"about"をつけることで、「もう~してもいいころなのに、まだ、~していないの?」といったイライラ感を出すことができます。


学校で教える場合、"It's about time"の例文はほとんど後ろに「節」が来ています。その理由は、節の中では必ず主語を持ってくるので、"you"以外を主語にすることができるからです。

It's about time (that) the public knew the truth.
そろそろ国民が真実知ってもいいころだ。


そして節の中に過去形を使った、仮定法を使います。このことで、「~する時間なのに、してないじゃない」といったイライラした感情を伝えることができます。


それに対して、"It's time"の例文は不定詞を使ったものがほとんどです。「~する時間だ」と、相手(you)に言う形が多いからでしょう。


It's time to go to bed.
寝る時間だよ。


"It's time"の後ろに節をつける場合もあります。その中では仮定法の「過去形」を使っています。このことで、"about"の省略だと分かり、「~する時間なのに、してないじゃない。」と”It’s about time"を使ったときと同じニュアンスを伝えることができます。



② なぜ、仮定法の過去形を使うのか?


"It's about time"の後に続く節の中の動詞が仮定法の過去形になっているのは、その内容が「実際のことではない」ことを伝えるためです。


I wish I were rich. (金持ちならいいのですが。→実際は金持ちではないということが伝わる。)
で使われている"were"と同じです。ただ、「現実ではないよ。」と言っているのです。


It's about that the public knew the truth.
そろそろ国民が真実知ってもいいころなのに


の"knew"も、「実は、国民は真実を知らないのですよ。」と伝えているのです。



③ "It's about time"の後、不定詞が来ているのはなぜ?


会話の中では、言っている相手が分かっているので、わざわざ節にして、"you"を主語に持って来なくてもいいからです。


そして、"about"を使うことで、節の中で仮定法を使わなくても、仮定法を使ったのと同じことを伝えることができます。


今日のフレーズを、
"It's time to wrap it up."というと、「まとめの時間だよ。」と、決められた、その時間が来たことを伝えている感じになるのに対して、


"It's about time to wrap it up."と言うと、「なにぐずぐずしてんだよ。そろそろまとめろよ。みんなウンザリしてるだろ。」といったニュアンスが伝わります。



④ "It's about time!"だけでも使える!


会話の中で、
言っている相手がはっきりしている
何の時間のことなのか、相手も分かっている
イライラしていることを表したい
場合、
"It's about time!"だけで十分なことがあります。


日本語表現では、
「いつまでやってんだよ。」
「やっとかよ。」
「遅いわよ。」
「待ってたんだけど。」
など、色々考えられます。( ´艸`)


これらの感情を表すには、"It's time!"だけでは不十分ということになります。



⑤ "It's time"の後は不定詞のほうがいい?


普通は、相手に時間を伝えるだけなので、"It's time to 動詞"で十分です。節を続けてもいいです。


 節を続ける場合、"It's time (that.) S +動詞の過去形...."になることが多いです。"about"が省略されていることが分かり、相手に感情を伝えることができ、主語を人ばかりでなく、ものを持ってくることもできます。



It’s about time our team won.
そろそろウチのチームが勝ってもよくない


"It's (about) time"を使って、会話文を作ってみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。


明日は、「俺は確信がなきゃ動かないよ。」です。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。