らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1344. お話が聞こえちゃったものですから。

Scenario: ジムのロッカーにいると、自分の出身地のことを話している人がいた。それがたまたま私の出身地と同じで、その人の年齢も自分に近いように見えたので、もしかして同じ学校の出身ではないかと思ってこう言って声をかけた。


「お話が聞こえちゃったものですから。」




"I couldn't help overhearing your conversation."




【ポイント】"can't help ~ing"を"can't help but 原形"に書き換えられるか?



ロングマンには、
somebody can’t help (doing) something
(also somebody can’t help but do something)


と書いてあり、次のように説明されています。


used to say that someone is unable to change their behaviour or feelings, or to prevent themselves from doing something
人が自分の行動、あるいは感情を変えることができない、または自分が何かをするのを防ぐことができないことを言うために使われる


このことから、日本語では、

「~せざるを得ない」
「~するしかない」
「つい~してしまう」

「~せずにはいられない」

という表現が使われます。


しかし、


cannot help butの後ろに出てくる動詞は「~という気持ちが沸き上がってくる」というニュアンスを表すので、自然に生まれる精神的、感情的なものに使われます。


こちらの説明を参照しました。



「私は、トムから10万円借金せざるを得なかった。」という表現について、


× I couldn’t help but borrow 100,000 yen from Tom.


である理由として、次のような記述があります。


a. I couldn’t help but borrow 100,000 yen from Tom.

b. I couldn’t help borrowing 100,000 yen from Tom.


The reason is verbs after cannot help but should denote mental or emotional reaction (verb like cry, laugh, hope, like, think, feel, wonder).

So, (a) is unacceptable because the verb borrow does not express mental or emotional reaction.


理由はcannot help butのあとの動詞は、精神的、あるいは感情的な反応(like, cry, laugh, hope, like, think, fee, wonder)といった動詞であるべきである。

borrowは、精神的、あるいは感情的な反応で起こるものではないので、正しくない。


従って、"can't help ~ng"は、行動や感情どちらにも使えますが、"can't help but 原形"にはは、「感情」にのみ使える、ということです。


というわけで、今日のフレーズは、


I couldn't help but overhear your conversation.  と書き換えることはできません。



"can't help ~ing"、あるいは、"can't help but 原形"を使って、会話文を考えてみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。


明日は、「お前に頼むつもりねーし。」です。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。