らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1362. ライティング編:ワンランク上の表現にする英語[15]--洗練された英語をマネする。

ライティング編の「マネしてみよう」第2弾です。前回はジャーナリスティックなものでしたが、今回は随筆の一部をとりあげてみました。


新しい街に引っ越してきた筆者の心のワンシーンです。この英文の中で使って見たい表現を抽出して見ます。英文の赤字に該当する日本語の表現に下線を引いておきました。


原文はこちらからのものです。⇓
イラストレーター、アグネス・リーのニューヨーク


例1
Three years ago, I uprooted myself from California and moved to New York City. Like many New York transplants, I moved with the idea that the city would bring exciting opportunities and I’d experience new culture, food and sights. This was a big milestone in my life, but when I got to New York and my boxes were unpacked, the change was harder than I expected.


3年前、私は自分の生活の全てを引き払い、カリフォルニアからニューヨークへ移しました。多くのニューヨーク移住者と同じように、この街はエキサイティングな機会をもたらし、新しい文化、食べ物、光景を体験できるだろうと考えて引っ越しました。これは私の人生における大きな節目でしたが、ニューヨークに着いて生活を始めてみると、その変化は予想以上に大変なものでした



"uproot" 
文字通り、植物を「根こそぎ抜く」という意味ですが、ロングマンに次のようなもう一つの定義があります。


to make someone leave their home for a new place, especially when this is difficult or upsetting
家を出て新しい場所に行かせること。特にそれが大変なことであったり、感情的な揺らぎがあったりする時。


英文の中で、筆者が引っ越しは面倒だし、寂しいし、別にしなくてもいいかな、でも引っ越したい気持ちもあるしといった感情が表れています。そして「えいっ!」と一大決心で引っ越したことが表現されています。


つぎの文で、"uproot"という前の文の表現を受けて、「ニューヨークに引っ越してきた人」のことを、"New York transplants"と、比ゆ的に表現しています。


マクミランの例
50,000 refugees had been uprooted and were seeking shelter elsewhere.
5万人の難民が根こそぎいなくなり、別の場所に避難していた。



② "~ with the idea that ......"


「.....という考えを持って~した」


日本語で「~だと思いました」という時に、"I think"ばかり使っていると、全体が子供っぽい文章になってしまいます。"I think"は1回だけにという意識で書くと、表現の幅が広がります。


"that"は、同格の働きをするので、前に来る単語は、次のような単語が多いです。
the fact / the news / the rumor / the information / the knowledge / the belief / the doubt / the thought / the opinion / the impression / the truth
情報や、考えに関した単語が多いですね。


同格の"that"を使う場合は、その後主語から始まる独立できる文が続きます。この用法で事実や情報などの内容が詳しく分かります。



③ "比較級 + than I (had) expected / thought


「思ったより~だった」というときの使い方です。


比較級を強調して、「ずっと~だった」というときには、比較級の前に"much"をおきます。


"than"の後は、過去形でも過去分詞形でも構いません。



例2
The lifestyle in New York is very different from what I was used to. I exchanged my car for the subway; vast hiking trails for city parks; a temperate climate for wide-ranging weather patterns. New York felt too big, too crowded. I missed my friends, my family, the place I used to call home. I was committed to my choice though, figuring it was just a matter of time before I got comfortable.


ニューヨークのライフスタイルは、私が慣れ親しんできたものとは大きく異なるものでした。車から地下鉄へ、広大なハイキングコースから都市公園へ、温暖な気候から変化に富んだ天候へ。ニューヨークは大きすぎ、混みすぎているように感じました。友人や家族、故郷と呼んでいた場所が恋しくなりました。しかし、私は自分の選択にこだわり、時間が過ぎれば快適に過ごせるようになるだろうと考えていました。




① "exchange"


「換える」ことですが、状況によって、主語や目的語の単数、複数が決まります。


We exchange gifts at Christmas.
クリスマスにプレゼント交換をする。
Players exchange shirts with each other.
選手同士でシャツを交換する。
I went exchanged greetings with everyone.
私は皆と挨拶を交わした。
The two women exchanged glances and laughed.
二人の女性は視線を交わして笑った。
Until this evening I had never exchanged a word with him.
この晩まで、私は一言も言葉を交わしたことがなかった。


何かを何かに換えるときは、"for"を使います。
Where can I exchange my dollars for pounds?
どこでドルをポンドに換えることができますか?


② "commit"


次のような使い方ができます。


●「良くないことをする」場合
commit crimes/ suicide   犯罪を犯す/自殺する


●  「必ず~は~しますと言い切る」場合
A commit B to ~ing (Aが、Bは必ず~すると言い切る」という使い方をする



He has clearly committed his government to continuing down the path of economic reform.
彼は、政府が経済改革の道を進み続けることと明言しました。


● 「真剣に~に心を傾ける」場合
"commit to ~"を使う。


He has not yet committed to any of the candidates.
彼はどの候補者にもまだ心が傾いていません。


文中の
 "I was committed to my choice"は、
「(何かによって)私は自分の選択に心を傾けさせられた」
で、「何かが私を自分の選択にこだわるように仕向けたのだ」ということを表現しています。
「(何かの力が働いて、)私は~にこだわっている」ということを表現したいとき、


"I am committed to ~."という言い方で表現できます。


"I am committed to this brand."
私はこのブランドにこだわってるの。



③ 副詞の"though"


副詞として文尾で使います。「でも」のニュアンスです。口語的な使い方になります。


It sounds like a lot of fun. Isn’t it rather risky though?
すごく楽しそうね。でも、わりとリスクがあるんじゃないの?



上にあげた表現を自由に使って(いくつでもいいです)、短文を書いてみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。


明日は、「引き止めちゃ悪いから、この辺でね。」です。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。