らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1360. 信じていただかなくては。

Scenario: 政治家と献金団体の癒着が問題になっている。昨今、ある団体による過去の違法行為が明らかになり、多くの政治家がその団体との関係を否定している。ある政治家は記者会見で、その団体との関係を絶つと宣言し、懐疑的に見ている記者に次のように言った。


「信じてもらわなければなりませんな。」



"I have to have you trust."



【ポイント】使役動詞の"have"の使い方。


「あなたに信じてもらわなければならない。」というのに、次のどれを使ったらいいでしょう。


① You have to trust me.
② I want you to trust me.
③ I have to have you trust.


英語の表現のニュアンスを大げさに示すと次のようになるでしょう。
① あなたは私を信じなければならない。
② 私はあなたに私を信じてほしい。
③ 私はあなたに信じてもらわなければならない。 


結果的には上の3つはどれも同じことをつたえているのですが、今日のフレーズは③の形で、使役動詞の"have"を使っています。


使役動詞は、目的語に置いた人やものに、


~させる/~してもらう


という表現を作ります。


使役動詞には、"make"、"let"、"get"、"have"があります。


今日のフレーズのように、"have"を使った場合、


"make"のような「強制」の「させる」ではなく、
"let"のような[「許可」の「させる」でもありません。


● 手続き上「してもらう」場合
● 善意から「してもらう」場合
● しかたなく「してもらう」場合
● そのほうが都合がいいので「してもらう」場合
● 自分でできないから「してもらう」場合
● 相手の義務や仕事だからそれを「させる」場合
● 影響力を使って「仕向ける」場合



「してもらう」になるのか、「~させる」になるのかは、話しの流れや、立場の違いで変わります。


また、日本語にしたとき、必ずしも「させる」、「してもらう」という表現になるとは限りません。ニュアンスをつかんで自然な表現を探してください。


使役動詞の"have"では、目的語の後の動詞は、「原形」、「過去分詞」のほか、「~ng」の形も使えます。


"get"も同様に使えますが、目的語が人の場合、後ろにくる動詞は不定詞になります。


使役動詞の"have"を使った表現をロングマン、マクミランを参照して挙げてみます。


Within minutes he had the whole audience laughing and clapping.
彼は数分で会場全体を笑いと拍手で包んだ。


I’ll have Hudson show you to your room.
ハドソンに部屋まで案内させるよ。


 I’ll have you know you’re insulting the woman I love.
私の愛する女性を侮辱していることを分からせてやる。


I'll have my husband take up my bags.
主人に荷物を運んでもらうわ。


While they were on holiday, they had their car broken into.
休暇中に車を荒らされたんだ


The place is looking much better since they had it redecorated.
(業者に)改装してもらって、ずいぶん良くなりましたよ。


She has her hair tied up in a bun today.
彼女は今日髪をおだんごにしている




使役動詞の"have"を使って、会話文を作ってみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。


明日は、「一体何のお仕事なさってるの?」です。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。