らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1366. 往生際が悪いわね。

Scenario: 最近、政治家を始め要職にある人達の不祥事をマスコミが伝えている。反省の言葉を並べながらも辞職しない。今日もまたテレビで収賄の容疑が掛けられている人物がインタビューを受けていたが、辞職はしないという。妻がひとことこう言った。


「往生際が悪いわね。」



"He always delays the inevitable."



【ポイント】形容詞を名詞にする、"the+形容詞"の使い方。


"inevitable"は「避けられない」、「免れない」という意味を持つ形容詞です。
形容詞なのに、"the"が付いているのは、その形容詞の意味をもつ名詞を表しているからです。


"the +形容詞"でその形容詞の性質を持ったものをあらわすという用法は、今日のフレーズでとりあげた、"the inevitable"のように、慣用的な使い方として定着しているものが多いです。


"the inevitable"はロングマンでは、慣用的な扱いで次のように定義しています。


the inevitable
a situation that is certain to happen

確実に起こる状況のこと



One day the inevitable happened and I got a speeding ticket.
ある日、避けられないことが起きて、スピード違反の切符を切られた。



"the inevitable"のほかに、次のような、"the+形容詞"も慣用的に使われています。


the impossible
something that cannot be done

不可能なこと


attempt/do/ask etc the impossible
の形が多く使われています。



I just want to be able to buy healthy food at a reasonable price. Is that asking the impossible?
ただ、健康的な食品を安く買いたいだけなんです。それは無理なお願いなのでしょうか?


the unthinkable
something that is impossible to accept or imagine

受け入れたり考えたりできないこと



Then the unthinkable happened and the boat started to sink.
そして、考えられないことが起こり、ボートが沈み始めたのだ。



また、"the+形容詞"の用法は、人についても使われることがあります。


よく見られるのは、


the Japanese
日本人


the British
英国人


など、国の形容詞形で「国民」を表している場合です。


the Japanese = Japanese people


となります。


自己紹介などで、「(一人)の日本人」と言いたいとき、"I'm a Japanese."は正しい言い方ではありません。


"I'm Japanese."が正しい言い方です。
"I'm a Japanese person"ならいいですが、「日本人です」というより、「日本の人です」と聞こえます。


ロングマンでは、"Japanese"が名詞として使える場合は、"the Japanese"が"people from Japan"として複数扱いされる場合と、「日本語」という意味で「不可算名詞」としてとらえるときだけです。


ちなみに、"American"は、形容詞の他に、それ自体、"someone from the US"(ロングマンの定義より)と、可算名詞があるので、'I'm American."と、"I'm an American."の両方が正しい言い方となります。("Canadian"など、"-an"で終わる単語はこの仲間に入ります。)



この他、人に対してよく使われる、"the+形容詞"のパターンには次のようなものがあります。


the rich/poor = rich/poor people
the young = young people


この他は、頻繁に使われていないと思います。




"the +形容詞"を使って、短文や会話文を考えてみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。


明日は、「私のアパートじゃ、ペットは無理。」です。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。