1409 ライティング編:ワンランク上の表現にする英語[21]---話法を使いこなす。(後編)
「ライティング編」では、「正しい英文を書く」、「相手に好印象を与える文を書く」ことを目標に、文法や単語の選び方などで役に立ちそうな内容をお届けしたいと思っています。
今日は、「話法」の3回目。お手本にしている英文は、ニューヨークタイムズに掲載されている「メトロポリタンダイアリー」の英文です。分かりやすいように一文ごとに改行し、注目した文に番号をつけたり、色を付けたりしています。
今日、注目するのは③と⑤です。
全文
It was December 2018, and I was walking through Bedford-Stuyvesant after a job interview when my phone rang.
It was a man from the company where I had just interviewed.
2018年12月のことでした。私は就職の面接の後、ベッドフォードスタイベサントを歩いていました。そのとき、電話が鳴ったのです。
それは私がさっき面接を受けた会社の人からでした。
① He asked if I could update my résumé.
② The layout was wrong and some of the text I had included as part of my profile was superfluous, he said.
① 彼は私の履歴書を新しく書き直してほしいと言いました。
② 配置が間違っていたり、履歴の中に書いた部分にいくつか不要な事項があったりしたと言うのです。
I didn’t have a computer and hadn’t even found an apartment yet and ③ he needed a final draft within the hour.
Desperate, I entered the public library on Franklin Avenue near Hancock Street.
私はコンピュータを持っていませんでしたし、住むところも決めていないのに、③1時間以内に新しい履歴書が必要だと言うのです。
大慌てで、私はハンコックストリート近くのフランクリンアヴェニューにある図書館に駆け込みました。
④ The woman at the front desk said that I couldn’t use the computers without a library card and that I couldn’t apply for a card without an address.
⑤ When I explained the dire nature of my situation, she stood up from her computer.
⑥ “Use mine,” she said.
④ フロントデスクの女性は、図書館利用カードなしではコンピュータは使えない、そして住所が決まっていないとカードの申請ができないと言いました。
⑤ 私は自分が置かれている切迫した状況を説明すると、彼女はコンピュータの前から立ち上がりました。
⑥「私のを使うといいわ。」と彼女は言いました。
As she and the people who were lined up waiting to check out books cheering me on and offering to review my work, I edited the document and fired it off.
Nine months later, I was working in my dream job.
彼女と本を返すために並んでいる人々は私を応援して、履歴書の見直しをしてくれました。私は文書の編集をし、送信ボタンを押しました。
9ヶ月後、私は夢に見ていた仕事をしていました。
【ポイント】「~と言った」の部分に"said"を使わない工夫をする。
今日のポイントが間接話法で「置き換えルール」以上に筆者のライティング力が出せるところです。
③ he needed a final draft within the hour.
の部分は、直接話法で書くと、
He said, "I need a final draft within the hour."
彼は、「1時間以内に最終ドラフトが必要なのです。」と言いました。
となりますが、間接話法のルールに従って、
He said that he needed a final draft within the hour.
としてもいいのですが、
「彼は1時間以内に最終ドラフトが必要だった。」
He needed a final draft within the hour.
と、"said"がなくても"need"を使えば済んでしまいます。
このように、会話の多い文を書くときには、"said"を使わない工夫をすると、文全体の流れが描写的な文になって、読み手の想像力をかき立てます。
⑤ When I explained the dire nature of my situation,
この部分も間接話法で書いています。
When I said, "I need a computer, because......."
と"said"を使わずに、"...I explained the dire nature of my situation,...."と書くと、十分伝わります。
このように、会話が多い内容を"said"を別の単語に置き換えると、全体の印象がエッセイ調で流れていきます。
もうひとつ例を挙げれば、
彼女は、「道路が混んでて遅れたの。ゴメンね。」と言いました。
を、
She said she was sorry for being late.
とせずに、
彼女は渋滞で遅れたことを謝罪しました。
⇩
She apologized for the delay due to traffic.
"apologized"を、"was sorry"にしてもいいし、"due to"を"because of"にしてもいいでしょう。
同じことを伝えているのに、読み手の印象が違いますね。
彼らは、「キャー!キムタクだ!」と言いました。
は、どうしますか?
They overwhelmed to see Kimutaku.
でどうでしょう?
反対に間接話法を使わないで、直接話法にしたほうが効果がある場合もあります。その効果を生かせるかどうかは書き手の英語力にかかっています。
間接話法には、まだまだ様々な技法がありますが、今回の「話法」シリーズはここまでにします。
「間接話法」、「直接話法」を取り入れた短いエッセイを書いてみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。
皆さんのライティング力がワンランク上がりますように!
明日は、「なんで学校辞めちゃったの?」です。
読んでね。
Englishラボのらぼでした。
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