らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

312. 彼が一番まともだったわ。

Scenario :  友人に誘われて婚活パーティーに行った。かなり盛り上がったものの、おつきあいしたいと思う人はほとんどなし。ただ、食品会社で自然食品販売の仕事をしている人の話は面白かった。パーティーの後、友人と話していてこういった・・・。


「彼が一番まともだったわ。」




"He was the closest to normal."

【ポイント】「一番まとも」という日本語をどうとらえるか?

まず、日本語から考えてみましょう。
「一番まともって、どういうこと?」とアメリカ人に聞かれたらどう説明したらいいでしょう?」


「まとも」を漢字で書くと「真面」です。
広辞苑で定義をみると次のようになっていました。
「正直なこと。また、きちんとしているもの。まじめ。」
と書いてありました。


しかし、今日のフレーズのシチュエーションは、婚活パーティーのひと言です。初めて会って、少しはなしただけでは相手が広辞苑にある「真面(まとも)」であるという判断はできません。このシチュエーションで使われている「一番まとも」「まだまとも」とも言うと思います。


つまり、「変なヤツばっかりだったけど、彼はまだまとも。」とか「他はだめだったけど、彼がまだまとも」という使い方をしていると思います。つまり、「比べるものがあって、その人たちが自分の評価ではあまりに低かったので、彼が理想的とは言えないけれど、一番普通に思えた」といった感じで使っていると思います。


今日のフレーズの"the closest to normal"も、聞いたのが婚活パーティーではありませんでしたが、それに近いシチュエーションだったので、日本語表現として、この表現が一番ちかいかなと思って、今日の表現として書いてみました。


広辞苑の定義の「正直」は"honest"、まじめは"serious"という英語表現がありますが、「一番まとも」を"the honestest (person)"とか、"the most serious (person)"と英語で表現するのにはこのシチュエーションでは違和感を感じます。


【ポイント2】人の特徴や性質を表すときは、現在形を使う。


"He was kind."というと、「あの時、親切だった。」ということで、実はいつもは親切ではないのだ、というように聞こえます。
人の性質や、好みを言う時は、普通現在形を使います。


昨日の婚活パーティーで会った人の様子を聞かれたときには・・・。
「背が高かったわ。」 → He is tall.
「私の好みのタイプだったわ。」  → He is my type.
「イケメンだったわ。」 → He is a good-looking guy.
などと現在形を使います。過去形を使うと、すでに過去のこととなってしまい、現在はそうではないという意味で伝わることがあります。「昨日は特別そうだった」というときは、別の説明を加えなけければなりません。


You were really kind when I was dipressed.  私が落ち込んでるとき、優しくしてくれた。
のように。


Englishラボのらぼでした。