らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

314. 強い絆で結ばれています。

Scenario : 今年の台風は、各地にとても大きな被害をもたらした。不自由な避難所生活で疲れている中、ボランティアの人の手を借りて、一生懸命自宅の復旧作業をしている人たちを連日報道している。この言葉が印象的だった。


「彼らは強い絆で結ばれているのです。」



"They share a very tight bond."

【ポイント】"tie", "bond"が動詞で使われていなかった理由。


連日、台風の後の復旧作業で頑張っている人たちの報道を見て、それが英語のライティングやスピーキングのテーマになっています。らぼは、昨年Englishラボのシニアアシスタントになってから、ライティングの指導をしていますが、大抵の生徒が"tie"や"bond"を動詞で使っています。We are tied together.とか、"They are bonded together."など。らぼは日本人なので、言いたいことは分かります。減点はしたくないです。通じるから。


でも、「絆で結ばれている」というテーマで話すと、ネイティブは大抵"tie"や"bond"を名詞で使って表現します。そこで、"tie"、"bond"が動詞で使われていない理由を探ることにしました。まずは、ロングマンの定義からね。


"tie"
① to fasten things together or hold them in a particular position using a piece of string, rope etc 
ものをしっかり固定すること。あるいはそれらを特定の場所にひもやロープなどを使ってつなぐこと。


to fasten something around, over etc something else and tie the ends together 
何かを他のものにしっかり巻き付ける、あるいは端同士をしっかり結ぶこと。


to make a knot in a piece of string, rope etc, for example to fasten shoes or other clothes
糸やロープなどに結び目を作ること。例えば靴や衣類のひもをきつく締めるなど。


④  if two players, teams etc tie or are tied in a game or competition, they finish it with an equal number of points
選手やチームなどが試合や競技会で同点になると、同じ点数で試合を終える ことをいう。
(例)
At the end of the season, we were tied with the Tigers.
シーズンが終わってみれば、タイガースと同点だった
(下線はらぼによるものです。)


次は"bond"の動詞の定義です。


if two things bond with each other, they become firmly fixed together, especially after they have been joined with glue
2つのものがお互いに結ばれているというのは、それらがしっかりと固定されている状態であること。特に糊でくっつけた場合


 to develop a special relationship with someone 
人との特別な関係をつくること
(例)
Time must be given for the mother to bond with her baby.
その母親が彼女の赤ちゃんと繋がりを作るのには時間をかけなければならない。


”bond"の②の定義が、今日のフレーズの場合に最も近いと思いますが、"a special relationship"が気になります。暗に同性愛関係のことをさすことがある、という人もいます。


このように、集合体としての「絆」、「繋がり」という意味では、"tie"や”bond"を名詞で使って、動詞は"share"を使うのが一番近い内容が伝わると思います。特に"share"という動詞には、「ぬくもり」がありますしね!


Englishラボのらぼでした。