らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

615. 彼、並みどころじゃないよ。

Scenario: 先日会社のボーリング大会があって、先月入社した若い同僚と同じグループになった。ボーリングは得意なのかと聞いたら、「並みですよ。」と答えていたのだが、実際始まってみると、彼はストライクを連発。並みだって言ってたのに・・・。


「彼、並みどころじゃないよ。」




"He is anything but average."



ポイント1】「~どころではない」という日本語表現に注意。


"but"は接続詞で、「しかし」という表現をすることが多いですが、


マクミランとロングマンには次のように説明してあります。


"anything but"


used for emphasizing that a particular word does not describe someone or something, because the opposite is true about them
ある単語が、その反対が真実であるため、人(もの)を表していないことを強調するために使われる表現である。(マクミラン)



used to emphasize that someone or something does not have a particular quality
人、あるいはものがある特定の性質を持ってはいないということを強調するときに用いる
(ロングマン)


実は、辞書に「~どころではない」という日本語表現が書いてあると思いますが、要注意です。「全く~ではない」、「~とはほどとおい」、「決して~ではない」は大丈夫だと思います。


つまり、日本語の「~どころではない」という表現は次のような例文が考えられます。


「熱があって、旅行どころじゃないんだ。」
「今、疲れすぎて、勉強どころではないんだ。」
「給料が低すぎて、結婚どころじゃないんだよ。」


この「どころではない」は「~している場合じゃない」という意味で、英語の"anything but"の訳に出てくる、「~どころではない」とは異なります。


マクミランと、ロングマンの定義に見られるように、"anything but"は、


●主語を描写するときに用いる言い方


●主語の性質を強調するときに用いる言い方



なのです。


つまり、


"anything but"の後には、「補語」、つまり、名詞か形容詞が来るのです。そして、動詞は、"be動詞"(または"be動詞"に置き換えることができる動詞)になるのです。


道理で、ほとんどの例文が、


S+be anything but +名詞、形容詞


です。


今日のフレーズの、"anything but average"ですが、上の画像にあるように、主語も動詞もなく、決まった言い方として単独でも使われています。


こんなTシャツも。。。




日本語では、「並外れている」という表現がありますが、この場合、「優秀である」ということの強調になります。


英語の"anything but"は、「全く違う」と言っているだけなので、その状況や文脈によって、悪い方の強調もあります。


"anything but"を用いた例文を、マクミラン、ロングマンからあげておきます。


マクミランより


Unfortunately, our hosts were anything but friendly.
残念なことに、我々のホストは全くフレンドリーじゃなかったよ。
friendly ⇔ unfriendly 


Jake’s no fool – anything but!     (anything but a fool)
ジェイクは全然馬鹿じゃない。ー全くその反対だね! 


ロングマンより


Maria is anything but stupid!
マリアが馬鹿だなんていうことはないね!(むしろ頭が良いよ)


The sales clerk was anything but helpful.
その店員は全く役に立たなかったよ。(helpful ⇔ unhelpful)



"but"が"except"の意味で用いられる場合もありますが、全く違う説明になるので、それについてはまた別の機会に触れることにします。
What can we do but sit and wait?
I had no choice but to accept the challenge.

の"but"ですね。。。



Englishラボのらぼでした。