2247. 「放棄する」の訳は、倫理・社会・歴史の重味に注意!
前回の"forfeit"を使った用例の中に、「放棄する」という日本語表現を使ったものがありますが、"forfeit"=「放棄する」と考えるのは正しくありません。たまたま文脈から考えると、こう言うときは日本語で、「放棄する」って言うよね、となっただけです。"forfeit"は全く同じ意味の日本語がないのです。
ですから、「育児放棄」や「戦争放棄」という表現をする場合は、全く違う単語を使います。これらの表現には、倫理的、社会的、歴史的な重みがあるからです。
【ポイント1】「育児放棄」の英語表現
child neglect
child abandonment
"child neglect"は、法律、行政、ニュースで最もよく使われています。
直訳的に説明すると、「子供の世話を怠ること」、「適切なケアを提供しないこと」です。
"child abandonment"は、"child neglect"より強く、直訳すると「子供を見捨てること」になります。物理的に置き去りにする、完全に放棄するというニュアンスがあって、より深刻な場合に使われます。
"neglectful parenting"というと、育児放棄とまではいかなくて、「怠慢な育児をしている」というニュアンスになります。
【ポイント2】「戦争放棄」をどう日本語で表現すればよいか?
renounce war 戦争を放棄する
renunciation of war 戦争の放棄
renounce [rináuns] (リナウンス)
公式に、宣言して、永久に放棄する、自ら明確に宣言することです。
信念、権利、政策、国の方針に関するものが対象となります。
厳粛、儀式的、法的・政治的文脈で使われることが多いです。
Japan renounces war forever.
日本は永久に戦争を放棄する。
"renounce"の他の動詞には次のようなものがあり、それぞれ次のようにニュアンスや使い方が異なります。
relinquish [rilíŋkwiʃ] (リリンクウィシュ)
(仕方なく、不本意に)手放す、譲り渡す感じになります。
権限、地位、所有物、コントロールについて使われます。
He relinquished control of the company.
彼はその会社の経営権を手放した。
waive [wéiv] (ウェイヴ)
自分の強い判断で権利を行使しないと決めることです。
権利、請求、手数料、規定について使われます。
法的、技術的、限定的で、一時的なことも多いです。
She waived her right to remain silent.
彼女は黙秘権を行使しなかった。
abandon [əbǽndən] (アバンダン)
見捨てる、放り出すニュアンスがあり、自分の強い気持ちで、とっさに行うかんじです。
計画、人や生き物、場所、物について使います。
無責任でとっさの感情的な行動で、ネガティブな感じになります。
He abandoned the project halfway.
give up
日常的に使われ、あきらめる、軽い感じで相手に明け渡す感じです。
「はい、(私はいいですから)どうぞ」といった感じです。
She gave up her seat to the old lady.
彼女は席をその老婦人に譲った。
次回は、「ほら、泣いちゃったでしょ。」と言いたいときの英語表現です。
Englishラボのらぼでした。
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