らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1674. 分かってくれたかな?

Scenario: 次回の企画会議に出すアイデアについて、上司から会議に掛けられないと却下された。納得できずにその理由を聞くと、経費がかかりすぎるということだった。最後にこう言われた。


「分かってくれたかな?」



"Am I understood?"



【ポイント1】"understand"や"understood"を使う「分かる」の表現。



"understand"の基本的な意味は、大体次の4通りです。


① 「意味が分かる」


to know the meaning of what someone is telling you, or the language that they speak
人が言っている意味が分かる、人が話している言語の意味が分かること


使い方
She doesn’t understand English.
彼女は英語が分からない。(英語で言っていることが理解できない)


I’m sorry, I don’t understand. Can you explain that again?
すみません。(どういうことなのか)分かりません。もう一度説明してくれますか?


The woman had a strong accent, and I couldn’t understand what she was saying.
その女性のなまりがつよくて、彼女の言っていることが理解できなかった。



② 「承知している」

to know or realize how a fact, process, situation etc works, especially through learning or experience

ある事実、プロセス、状況などがどのように機能するかを、特に学習や経験を通じて知っている、または認識していること


使い方


You don’t really understand the political situation in Egypt.
あなたはエジプトの政治状況をよく理解していない。


You don’t need to understand how computers work to be able to use them.
コンピュータの仕組みを理解しなくても、それを使うことはできる。


How the drug works isn’t fully understood.
薬がどのように作用するかは完全には分かっていない


I understand that this treatment may not work.
この治療法が効かないかもしれないことは承知しています



③ 「人の気持ちが分かる」


to realize how someone feels and why they behave the way they do, and to be sympathetic
相手の気持ちや行動を理解し、共感する


使い方

My parents just don’t understand me.

両親は私のことを理解してくれない。


Just tell him how you feel – I’m sure he’ll understand.
自分の気持ちを伝えれば、きっと分かってくれるよ。


I understand how you feel, but I think you’re overreacting.
気持ちはわかるけど、過剰反応だと思うよ。



⓸ 「真実を知る」


to believe or think that something is true because you have heard it or read it
聞いたり読んだりしたことを真実だと信じたり考えたりすること


このニュアンスでは、


It is/was understood (that)......という形で使われることが多いです。


that以下が「周知の事実だ」、「議論の余地がないものだ」、「誰もが同意している」といった内容になります。


It is understood that the Queen approves of her nephew’s romance.
女王は甥のロマンスを認めていると理解されている


He is understood to be reorganising the company’s management structure.
彼は経営体制の再編を進めていると考えられる。




【ポイント2】"understand"を使った聞き方、応え方


ポイント1の⓸の使い方は、”It is understood that....."という形で使われることが多く、かなりフォーマルな言い方になります。「一般的にそういわれている」、「~というのが一般的な理解だ」と言うような感じになります。


「分かりましたか?」という日本語表現には、英語表現で次のようなものが考えられます。


① Understand?


Do you understand?


の略になるので、「私の言っている意味分かる?」といった感じになります。状況によれば大柄な感じになります。


"Understand."と答える場合は、”I understand.”「あなたの言っていることが分かります。」なので、大抵の状況に使えます。


② "Understood?"


"Is it understood?"の省略形になります。「みんなが同意していることなんだ、いいな?」といった感じになります。目上の人には使えません。


応えの"Understood."は、「了解しました。」といった感じで使えますが、"I understood."の略ではありません。これでは、「以前は了解していました。(今は違います)」になります。



【ポイント3】"Am I understood?"が優しく聞こえるわけ。


言い方にもよりますが、"Am I understood?"が優しく聞こえるのは、"understand"の意味の③の「人の気持ちが分かる」というニュアンスになるからです。


My parents understand me.
両親は私のことを理解してくれている。


の受動態は、


I am understood by my parents.


ですね。


この"I am understood."の疑問形が、今日のフレーズの"Am I understood?" (私理解してもらえてるかな?)


にあたります。


うっかり"Am I"だから省略してもいいだろうと思って、"Understood?"と言えば、"Is it understood?"になって、折角の自分の気持ちが伝わらないことがありますから、時には"Am I understood?"と言いましょう。


”Am I understood?"を使った会話文を考えてみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。


明日は、「そんな態度じゃ将来心配だな。」です。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。