らぼちゃんの英語ブログ

英語のフレーズを通して見えてくる英語と日本語のギャップを楽しみましょう!

2277. アニメのタイトルに付けられた英語が面白い!

らぼ

今回は、アニメのタイトルの英語に注目します。そして最後にひとつ日本の昔話の英語タイトルをご紹介します(思わず笑っちゃったので( ´艸`))。日本語のタイトルとの違いに皆さんは何をお感じになるでしょうか…



名探偵コナン / Case Closed


日本語タイトルは「名探偵」という称号と「コナン」という人名で、シャーロック・ホームズを思わせます。ポスターなどで画像を見れば、その探偵が「子供」であることが分かり、天才的な子供の探偵の話だというイメージがわきます。


"Case Closed" は「一件落着」という意味の決まり文句です。このフレーズをタイトルにすることで、「コナン」という名前を出さずに、「事件もの」のイメージを表すことができます。


英語圏では「Conan」が作家コナン・ドイルと紛らわしいので、タイトルとして用いることを避けたと推測されます。その代わりに「探偵もの」であることを連想させる"Case Closed"(一件落着)にしたのだと思います。

日本語では、「コナン」という人名を出すことでコナン・ドイルを連想させること、タイトルに「名探偵」を使っているということで、とても分かりやすいタイトルになっています。


日本語のタイトルでは、内容は主人公である少年、コナンの物語であることが分かり、「名探偵」という肩書きによって、コナンの活躍が強調されています。

英語では、ストーリー展開が「事件→解決」のパターンであることを予告し、推理もののジャンルであることを伝えています。


"Closed Case"と順番をかえると、「解決された事件」という印象を受けます。英語のTVドラマで、"Cold  Case"というタイトルのものがありますが、これはたくさんある「未解決事件」のひとつといった印象で、過去に起こったひとつの未解決事件を再び捜査して解決していく内容になっています。


"Case Closed"の語順にすると、"The case (, which is) closed."(その事件は解決された)というように"closed"が前の名詞を説明しているニュアンスになり、「その事件」が「特定の事件である」ことが補足説明として付け加えられている感じがします。



千と千尋の神隠し / Spirited Away


日本語のタイトルは、「神隠し」という言葉から、「突然の失踪」や、「行方不明事件」を連想させるイメージがあります。「千と千尋という二人が突然行方不明になった?」のではなく、豚に変えられてしまった両親を助けるために神々の世界へ入り込み、そこで「千」という名前を与えられて働くことになった「千尋」のストーリーです。


"spirited away"は、動詞の"spirit"にaway という副詞を組み合わせた句動詞です。その意味は、ロングマンによると、


to take someone or something away quickly and secretly

誰かや何かを素早く、こっそり連れ去る


となり、例文は次の様になっています。


After his speech, Jackson was spirited away through a back door.

演説の後、ジャクソンは裏口からこっそり連れ出された。


この映画のタイトルでは、"spirited away"が日本語の「神隠し」の持っているイメージを英語の文化圏で自然に伝えるための表現として使われており、タイトルに、"mysteriously taken away"や、"vanished by unseen forces"といったニュアンスを持たせています。



鬼滅の刃 / Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba


「鬼を滅する刃」という、漢字からくる強いイメージが伝わります。

誰の刃か、どんな物語かは分かりませんが、暗く激しい、ドラマチックな印象が伝わります。


Demon Slayer は「悪魔(鬼)を倒す者」という、非常に分かりやすい表現になっています。しかし、漢字からくるイメージが伝わりにくいため、サブタイトルとして、Kimetsu no Yaiba と、日本語をそのままローマ字で付け加えています。


英語だけの"Demon Slayer"にすると、一般名詞すぎて他作品と紛れやすいため、コロン以下に原題を残す二段構えになっています。

日本語は「鬼」と「滅」のそれぞれの感じが違う意味を持って一つの塊となり、音と雰囲気を作り出すといった、タイトルらしさが感じられます。


日本語では、主人公やストーリー展開をさけ、「鬼を滅ぼすための刃」が中心的存在になって、内容よりも雰囲気が現れています。

英語では、「人」が中心の物語であり、"demon"を倒すという漫画のジャンルと主人公の役割を伝えています。


"Demon Slayer "は「名詞+名詞」の複合名詞で、英題タイトルとしては典型的なスタイルになっています。

コロンで副題をつなぐ形は、シリーズ化を見込んだ海外展開でよく使われる表し方で、テーマ+説明という枠組みを作っています。



一寸法師/The inch-high samurai


一寸は、1インチに近いので、"inch"という名詞を使ったのでしょう。"inch-high"が"inch-tall"ではないところが面白いです。"The one-inch-tall samurai"となるのが文法的には正しいと思いますが、タイトルとして使う場合、次のようなことを意識していると思います。


tallとhighについて


"tall"は、縦に細長く伸びているものに使う(人・木・ビル・塔など)

"high"は、地面からの高さに使う(山の高さ、壁の高さ、波の高さなど)


一寸法師は極端に小さいので、“tall” という語が持つ「スッと伸びた縦長感」が合わないのだと思います。ですから、高さという量を述べる “high” になっているのでしょう。


oneが省略されているのは、タイトルとするには、語の数がふえて、リズム感が崩れて重くなるからでしょう。タイトルは文法や意味より、「語感」重視なのです。


「法師」は僧侶という意味以外に、物語の中で、「坊や」「若者」「童子」に近いニュアンスをもって使われることがあります。しかし、英語では見た目が「侍」なので、分かりやすく意味からくるインパクトを考慮して、"samurai"としたのだと思います。



😊今回ボツにしたのは、「シックスセンス」「アザーズ」「アナと雪の女王」「天使にラブソングを」「ワイルド・スピード」「安寿と厨子王」などです。原題を調べてボツになった理由を想像してみてね。



次は「季節について話そう!」を何回かに分けて書きたいと思います。第一回は「梅雨について」です。挨拶のあとの"small talk"に使えます!


Englishラボのらぼでした