2260. ワンランク上を目指す英語表現[108]---ニュアンスを考える
今日は、日米表現のニュアンスの違いについて考えます。
ニュアンスを考えるときは、状況がとても大切です。
まず、状況を設定します。
状況:彼女がある会社の採用に応募し、面接試験を受けて1カ月間試験的に働くことになった。
"She begins her trial period."

① 時制よるニュアンスの違い
この英語フレーズを日本語に直訳すると、
彼女は彼女の試用期間を始めます。
になります。日本語では、「これから」始めるように感じます。
英語では、「実際に始めている」文脈です。正しく伝えるためには、日本語表現は、
「始めます」⇒「始めた」
になります。
もしくは、「彼女、仮採用なんだ。」などの全く違う表現にするかです。
英語表現で現在形を使っているのは、会社のスケジュールに彼女の試用期間が入っている、ということを表しているからです。英語の現在形の働きの一つとして、スケジュールや固定された予定、既定の事実を表すことがあります。そのことが、「これから」起こる場合もあるし、すでに始まっている場合もあります。今日の状況においては会社側が固定された予定として彼女の試用期間を決めたので、現在形になっています。日本語表現では、「始まっています」、「始まりました」が考えられます。英語では、スケジュールとして決まっているというニュアンスが表れています。あるいははっきり「もう始まっていて、今働いている」ということを伝えるためには、完了形を使うという方法もあります。
するとこんな感じになります。
"She has begun her trial period."
😀"It will rain tomorrow.."は、「明日は雨だよ。」といいますね。「明日は雨でしょう。」というのは気象予報士さんだけかも。反対に、「明日は雨だよ。」は、"Tomorrow is rain."ではありませんね。"It will rain tomorrow."もしくは、"It's gonna rain tomorrow."(明日は雨がふりそうだね。)です。
② "begin"と"start"によるニュアンスの違い
日常の会話では、"start"を使うことが多いです。フォーマルな文脈では"begin"がより多いので、今日の日本語表現は、「お試し」より「試用期間」といった堅い表現のほうが適していると思います。("start"がフォーマルな場面で使えないということではないです。"begin"よりはカジュアルだということです。
ただ、「試用期間」という日本語表現を使うと、会社側が試しているニュアンスがあります。「お試ししている」という表現だと、とてもカジュアルな感じになるので、日本語にはあえてフォーマルな表現を考えてみました。
「彼女は試験的に勤務しています。」
とするのも一案です。
③ "begin"は自動詞・他動詞の両方がある
今日のフレーズは他動詞で、「~を始める」になります。日本語でも同様ですが、
「始める」は、「始まる」という自動詞で表現することができます。
Her trial period begins.
です。
カジュアルに言う場合、
Her trial period starts.
でもいいです。
しかし、"start"には、"start off"という句動詞もあり、何かのプロセスの始まりのニュアンスがありますので、これを使う方法もあります。
Her trial period starts off.
④ 所有格と定冠詞のニュアンスの違い
“trial period”に付くのは、”her”と”the”が考えられます。"her"を使う場合は、彼女一人が試用期間で働いているイメージがあります。複数人だと、"the"がいいと思います。ですから、ジムの入会などの「お試し期間」なら、"her"にすると良いと思います。会社が特定の「試用期間」を決めて、複数人がその期間が終わると、誰が雇用するか発表されるともとれます。今日のフレーズでは、そこがはっきりしていないので、"her"でも"the"でも、どちらもあり得ると思います。
⑤ 日本語の「から」を表すニュアンスに注意
今日のフレーズでは、他動詞ですので、「から」は付きませんが、
「学校は4月から始まります。」
と日本語で言うことが多いと思います。その「から」には、"from"ではなく、"with"を使います。
"School begins with April."
になります。
"from"は「~まで」という着地点"to~"がある時に使います。
How do you get from here to Tokyo?
ここから東京までどうやって行くのですか?
それに対して、
「君から始めよう。」は、
"Let's start with you."
です。
😀特に「時制」において、日本語表現と英語表現の違いが大きいと思います。日本語においては、「時制」についてとくに使い方が詳細に渡って微妙な違いがあります。英語では、かなりはっきり時制を使い分け、そこに意味の違いが出てきますので、しっかり押さえておきましょう。
また、日本語にはない「冠詞」に対しても英語話者はかなりこだわります。
ちょっとしたことかもしれませんが、そのちょっとしたことを知っているとワンランク上の英語表現になります。
明日は、「ワンランク上」を目指して、"-less"と"-free"を考えます。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。
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