らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1932.大した額じゃない年金もらって引退してるよ。

Scenario: 65歳になって高齢者の仲間入りとなった。何年かぶりに同窓会が開かれることになり、みんなどんな老後の生活を送っているのかなと思って参加したが、こんな感じになっていた。



「大した額じゃない年金もらって引退してるよ。」




"We have a mediocre pension to retire on."



【ポイント1】"mediocre"は、"not very good"


"mediocre"の発音は、[mìːdióukər] (ミーディオーカ)で「オ」の所にアクセントがあります。


フランス語から来た言葉のようですが、ロングマン、ケンブリッジとも、


"not very good"


という定義になっています。


ロングマンに、"not very good"の定義として、


not good at all


とあります。(こちら


not happy at all


も同様です。つまり、"mediocre"はなり否定的なニュアンスで使っているということです。


"not very good" ="not good at all"ととらえてロングマンの例文を日本語で表現する場合、


「全然良くない」ことでも、控えめな表現として「あまり良くない」となることが多いですが、英語では、ロングマンの定義のように、"not good at all"と伝わるようです。



I’m just not very good at spelling.
私、スペルを書くのが苦手なだけよ。(スペルを書くのはまだまだだめだ。)


The garden’s not very big, is it?
その庭、全然大きくないよね。(あまり大きくないですよね。)

The assistant wasn’t very helpful.

そのアシスタントは全く役に立たなかったな。(あまり役に立ちませんでしたね。)

‘Was the talk interesting?’ ‘Not very (=only slightly).’

「その話、面白かった?」「あまり。(ちょっとしか面白くなかった。」(丁寧な感じで)
「全然だよ。」(内容などによって、このように伝わることもあります。)


今日のフレーズでは、


年金の額に対して"mediocre"を使っているということは、定義からすると、”not very good"、つまり"not good at all"⇒「全然良くない」といったことになります。


ですから、


"We have a mediocre pension."と言えば、


「年金だけじゃ全然足りないな。」


と言っていることになりますが、


"we don't have very good pension" や、"we don't have good pension at all"と言わずに、"we have a mediocre pension"にしているところに、遠回しに全く良くないことを伝えている感じがします。日本語感覚では、「大した年金じゃない」といった感じだと思います。


よく聞くのは、"He is a mediocre student."のように、生徒の成績のことで言っていますが、良くないことを遠回しに言っている感じがします。


程度を表す表現は、英語でも日本語でも、謙遜しているのか、遠慮があるのか、大げさに言いたくないのかによって、表現を微妙に変えることがありますから、雰囲気や文脈、会話の相手などを考えて、適当と思われる表現を見つけましょう。



【ポイント2】不定詞の使い方


日本の英語の授業で必ず出てくるのが、不定詞の3つの用法です。


名詞的用法
形容詞的用法
副詞的用法


です。


しかし、ほとんどのネイティブはこうした用法を学校で習わないといいます。


「~するための」と「~するために」を使い分けて前者を形容詞的用法、後者を副詞的用法としているのは、日本語側の都合です。「の」と「に」の違いは、英語圏にはありませんから。


ネイティブにこの不定詞の3つの用法のことを話し、副詞的用法の中に、さらに、


目的(〜するために)
感情の原因(〜して)
判断の根拠(〜するとは)
結果(そして〜する)
条件(〜するならば)


があるのだと言うと、驚かれます。


今日のフレーズの"to retire on"の不定詞は何用法でしょう?


前に名詞(pension)があるから、形容詞的用法?
それとも、
「目的」を表す副詞的用法?
「結果」を表す副詞的用法?
「条件」を表す副詞的用法?


こんなことを考えていれば、会話ができませんね。(´;ω;`)


では、ネイティブはどうとらえているのかと聞いてみると・・・


英語の文の中には主語の後に動詞が来るけれど、そのほかにもうひとつ動詞を持ってきたいときに、何もつけないで使うことができないから"to"を付けるのだ、という答えでした。


ですから、〇〇用法なんて、全然考えていない!


今日のフレーズだって、


そこそこの年金もらって (結果として) 引退生活を続ける


引退生活をする  (ための目的として) そこそこの年金をもらう


引退する (ための) 年金をもらう


のどれに当たるのかなんて考えて、話しているわけではないのです。


話の順序として頭に入って来る情報が、


年金もらいます ⇒ 引退生活続けます


それだけでいいわけです。


そんな感じで、会話のときに、不定詞を使ってみましょう。多分多少間違っていても言いたいことは通じると思います。( ´艸`)


学校で教える文法のテキストをそろそろ大幅に変える時期が来ているのではないかと思います。



"mediocre"を使った会話文を考えてみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。


明日は、「伝票もらって来るね。」です。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。