らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1787. 完璧、論破されたな。

Scenario: 友人と飲んでいて、昨今の物価高の中で一か月の飲み代の話になった。友人が、「先月は1万円だったものを、今月から5千円に減らされた。」と言ったので、こう言った。


「完璧、論破されたな。」




"You are totally persuaded."




【ポイント】「論破」は英語でどう表現すればよいか。


「論破」というような一種の流行語のような言い回しは、必ずしも辞書で定義づけられているものではありません。英語で表現する場合は、そのニュアンスを汲み取って、その状況に合う表現を使わねばならないと思います。


そのためには、例えば、「論破」という言い方が流行する前は、どういう言い方をしていたか、考えてみるといいと思います。


それと同時に、


以前にはなかったニュアンスが入っていないか確認し、もし足りないと感じたニュアンスがあれば、副詞などで補ったり、単語を変えてみたりするといいでしょう。


「論破」を表現できる様々な可能性を考えてみました。


① 「論破する」を違う動詞で表してみる。


自分の知っている単語の範囲で、近いものを考えてみましょう。


「説得する」⇒"persuade"


はどうでしょう。


"persuade"は、動詞で次のような意味です。(ロングマン参照)


"persuade"
to make someone decide to do something, especially by giving them reasons why they should do it, or asking them many times to do it

誰かに何かをする決心をさせること、特に、そうすべき理由を与えたり、何度もそれをするよう求めたりすること。


"I'm persuaded."


高圧的な感じを出すなら、"unfairly"を付け加えるのがいいかもしれません。
"completely"も使えるでしょうし、若い人なら、"100 percent"を使うかもしれません。


ただ、"persuade"には、「説得して~させる」といった、説得されて何をしたのかが気になる場合がありますので、状況によって、"to不定詞”や、"into ~ing"で、説得されたあとの行為を補いましょう。


"I'm convinced."もほぼ同じですが、納得の度合いはこちらのほうが高いように思います。


使い方


She finally managed to persuade you not to go out for a drink.
結局、飲みに行かないように説得されたんでしょ?


Don’t let yourself be persuaded into buying things you don’t want.
言い負かされて欲しくないものを買ってしまわないように。



② 形容詞を使ってみる。


"persuade"の形容は、"persuasive"です。


He is very persuasive.
彼はとても説得力がある。


Your arguments are very persuasive.
あなたの主張には説得力があります。


かなり「論破力がある」という意味には近くなるかもしれません。


He was successful in his persuasive arguments.
彼は説得力のある主張で成功しました。


とすると、「論破した」に近くなります。



⓷ 説明的に述べる。 


His argument was so convincing that nobody couldn't respond to that.
彼の主張には説得力があり、誰もそれに答えることはできませんでした。



"intimidate"や、"threaten"を使うと、それぞれ、「恫喝する」、「脅迫する」というレベルになってしまいますから気を付けましょう。


"intimidate"
to frighten or threaten someone into making them do what you want
脅して自分の思い通りにさせること


"threaten"
to say that you will cause someone harm or trouble if they do not do what you want
思う通りにしないと、危害を加えたり迷惑をかけたりするぞと言うこと


「ハイ論破。」という言い方は、どんなニュアンスなのでしょう?
みなさんなら、どういう英語表現を考えますか?


らぼの考えた、「ハイ、論破。」を明日お伝えします。


明日は、ワンランク上の表現で、"now"を取り上げます。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。