らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1871. 明日だからね。

Scenario: 高齢の母親は昨年からケアハウスに通っている。スタッフの皆さんが実に優しく接して下さるので、毎週行くのを楽しみにしている。ケアマネージャーさんは、毎月一回の自宅訪問で様々な日常生活や健康について相談にのって下さる。先週電話がかかってきて、訪問日の相談があり、それが明日なので、母に忘れないようにこう言った。


「明日だからね。」




"Tomorrow it is."



【ポイント】強調構文とは? 


今日のフレーズは、


It is tomorrow.


が元になっていて、"tomorrow"が強調された形になっています。


Mr. Sato will visit us tomorrow.


の、"tomorrow"だけを相手に強調して伝えたいのです。


その方法として、いわゆる次の強調構文があります。


It is (           ) that ..................


という強調構文の型を使います。


カッコの中に、強調する"tomorrow"を入れ、残りの部分を"that"以下に置けば強調構文の出来上がりです。


主語の"It"は単に強調構文を作っているだけのものなので、「それ」とは訳しません。


カッコの中に入れて強調できるのは、名詞と副詞だけです。


ここの"tomorrow"は「明日」ですが、名詞ではなく副詞です。強調構文の中で副詞が強調されている形です。


It is on the table that I found this book.
僕がこの本を見つけたのはそのテーブルの上だったよ。


も、"on the table"という副詞句が強調された形です。


なぜ、強調の部分に形容詞はこないのでしょう?


It is grateful that Mr. Sato will visit us.
佐藤さんが来てくださるのはありがたいことだ。


は、一見強調構文のようですが、この形は形容詞を強調しているのではありません。つまり、強調構文ではありません。
いわゆる、It ~that構文です。「・・・というのは、~(形容詞)なことだ」とthatの内容の評価をしているだけです。


強調構文で、強調される部分は、"that"以下の文の一部となるものです。


文の一部、というのは例えば、


"tomorrow"は、


Tomorrow, Mr. Sato will visit us.
〇 Mr. Sato will visit us tomorrow 


と、文の一部となりますが、
 
"grateful"は、


× Grateful, Mr. Sato will visit us.
× Mr. Sato will visit us grateful


とは言えず、"grateful"は文の一部になり得ません。


”Mr. Sato”を強調すると、次のようになります。


It is Mr. Sato that will visit us tomorrow. 
(明日来てくれるのは、佐藤さんだからね。)


となり、"It is"と"that"をとっても、
Mr. Sato will visit us tomorrow.   と、Mr. Satoは文の一部になって成立します。つまり、上の文は強調構文です。


さて、もう一歩強調を進めます。


"It is tomorrow that Mr. Sato will visit us."の"that"以下が会話の中で明らかなので、"that"以下を省略し、"It is tomorrow."だけを残します。


これだけでも、「明日だよ。」という日本語表現になりますが、さらに、"tomorrow"を強調するために、文頭に出して強調したのが、今日のフレーズになります。


"Tomorrow it is."


ですね。


形容詞を強調したければ、強調構文を使わずに、単に"very"などの副詞を付ければいいですよね。( ´艸`)


ですから、もし、形容詞を強調したいときは、強調構文ではなく、It ~that構文の中で、


It is very helpful that many volunteers are coming to Noto.
多くのボランティアが能登に来てくれるのはとても助かります。


のようにすればいいですね。


"....... it is."を使った会話文を考えてみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。


明日は、ワンランク上を目指す英語表現」です。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。