らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

463. 彼と廊下ですれ違ったよ。

Scenario : 職場でコロナウィルスに感染している人が出たという話を聞き、ショックを受けている。そして、感染している人がまるで何かの容疑者かのような声が聞かれ、何か社会全体がおかしなことにならないか心配している。こう言っていた人がいた。


「彼と廊下ですれ違ったけどな。」




"He passed me in the hall."


【ポイント】「すれ違い」の異なるシチュエーション表現。


日本語で「すれ違う」という時は、反対方向に歩いている(走っている)人(もしくは車)同士が、比較的近い距離で短時間に通り過ぎる時に使う表現ですね。


〇列車がすれ違う
〇車がすれ違う
〇人とすれ違う
〇団体とすれ違う
×デパートをすれ違う
×ボールがすれ違う


ポイントは、動いているもの同士が「反対方向」に動いていく、ということです。同じ方向のとき、日本語では、「そばを通り過ぎる」とか「追い抜かす」という表現をしますね。


次の2つの日本語は、どちらも"pass"で言えてしまうのです。


彼はすれ違いざまに私に微笑んだ。
彼は追い抜かしざまに私に微笑んだ。

     ↓
He gave me a smile as he passed.


つまり、"pass"は状況によって、日本語では色々な表現になります。


ロングマンから様々な日本語に鳴る例を見ます。


The crowd parted to let the truck pass.
トラックが通れるように群衆が道を開けた。


We passed a group of students outside the theatre.
我々は劇場の外で学生の団体とすれ違った
我々は劇場の外で学生の団体のそばを通った。


I pass the sports centre on the way to work.
私は仕事に行く途中にスポーツセンターの前を通る


日本語で色々な表現になるということは、"pass"という単語の定義が、英語では次のようになっているからです。(ロングマンより)
to come up to a particular place, person, or object and go past them
ある場所、人、あるいは、ものに近づいて行って、それを通り過ぎること


英語で言う"pass"は「そばを通り過ぎる」だけですが、日本語では、その方向が違う時に「通」という漢字を使わず、「違」という漢字を使って表現を変えるのですね。


さらに、それが人間関係にもおよび、「意見のすれ違い」という表現をするのですが、英語では、"pass"と全く関係なく、大抵の場合、"have a different opinion"になります。


Englishラボのらぼでした。