らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1186. 先生はいつも僕をあてるんだ。

Scenario: 5年生になった息子は、勉強が難しくなってきたことを実感しているようだ。先生の質問も難しくなってなかなか答えが分からず困ることがあるらしい。皆が手を挙げていないときによく自分がさされると思っているようで、今日はこう言っていた。


「先生はいつも僕をあてるんだ。」



"He always calls on me."



【ポイント1】"call on +人"が「~をあてる」になる理由。


英語の辞書には、"call on+人"は、


to stop at a house or other place for a short time to see someone or do something
人に会ったり、何かをしたりするために短時間家に立ち寄ること


と書いてあります。


"call on"は「訪問する」と覚えている人が多いと思いますが、授業で先生が生徒を"call on"するのは、その感覚です。それを日本語表現にすると(授業で生徒を)「あてる」という特別な表現になるわけです。


教壇にたったまま、「あてる」場合もあるでしょうが、たいてい先生は正しい答えより意見を求めます。この感覚が"call on"だと思います。


生徒の間を巡りながら(今でも一部で「机間巡視」という言葉が残っています。)「君はどう思う?」、「どこまでやったかな?」、「うまく進んでる?」と生徒の机の間を通りながら声をかけることも"call on"になるでしょう。


特に例文で示すほどでもないらしく、辞書では教室内を設定した"call on"の例文に出会えませんでした。日本語表現が特別なだけですものね。。。(^_^)




【ポイント2】句動詞でも、代名詞を後ろに置くものがある。


今日のフレーズを見ると、"call on me"になっています。"call me on"ではありません。


一般に、句動詞には、「動詞+副詞」のものと「動詞+前置詞」のものがあります。


「動詞+副詞」の場合は、代名詞は動詞と副詞の間にはさみます。


"look out" → "look it out"
"pick up"  → "pick me up"
"turn on" → "turn it on"


のように。


しかし、「動詞+前置詞」型の句動詞は、代名詞であっても、前置詞の後ろに置きます。動詞と前置詞の結びつきが強く、セットで一つの他動詞と同じに扱っているから目的語がその後に来ていると考えられます。


"count on"  → "count on me"   (私を頼る)
"look for" → "look for the book" "look for it"” 
"deal with" → "deal with it"
"ask for"  → "ask for it"  (それを求める)


今日のフレーズの"call on"は"visit"の意味をもつ一つの他動詞と考えましょう。


こういった用法は、使い慣れてくると自然に感覚が身についてきますから、すべて暗記する必要はないと思います。




明日は、「みんな丸刈りだったよね。」です。
読んでね。


Englishラボのらぼでした。