らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1798. ワンランク上を目指す英語表現[57]---Butを使わないライティング

学生にライティングを教えていて、必ずチェックするのが、接続詞の使い方です。会話では、接続詞を使わずに、短い文を言えば通じることがあるので、ライティングでも同様に短い文をつなげて書く学生が多いのです。すると、全体が子供っぽい印象の文章になります。




ライティングのレベルを上げるコツのひとつは、接続詞をうまく使うことです。これが意外と難しいのですが、確実にライティングとしての評価を高めます。


「接続詞」(conjunction)というのは、2つの文をつなぐ品詞です。


「窓を開けた。」という文と、「とても寒かった。」


という2つの文は、それぞれ別々に書いてもいいのですが、ひとつの文すると、次のような文が考えられます。


① 窓を開けると、とても寒かったです。
⓶ 窓を開けたので、とても寒かったです。
⓷ 窓を開けたら、とても寒いですよ。
④ 窓を開けましたが、寒くありませんでした。


2つの文を英語で書く時、これらをいろいろな形でつなぐのが接続詞の役割です。一つ一つの文を別々に言ったり、書いたりするより、ワンランク上の文を言ったり、書いたりすることができます。


今回は、接続詞のなかの、「しかし」という意味をつくるパターンをとりあげました。上の文では、④の、
「窓を開けましたが、寒くありませんでした。」という文は、


"but"を使うと、


I opened the window, but it wasn't so cold.


となります。この場合、"but"という接続詞を使っています。


接続詞は2つの文をつなぐものですから、ライティングのときには、


I opened the window. But it wasn't so cold.


というように、2つの文にわけて、"But"を文頭にもってきてはいけません。会話ではかまわないですが、ライティングでは減点の対象になります。ネイティブが時々こういう書き方をしているものを目にすることはありますが、いわゆる「禁じ手」を逆に利用して、後に続く文のインパクトを強めるといった効果を狙ったものです。ジャーナリスティックなものに時々使われます。


しかし、こうした「禁じ手」は、学生は使わない方がいいです。"And"にも同じことが言えます。「赤毛のアン」という映画の中で、授業の中でこのことを厳しく指摘していた場面がありましたね。


さて、"but"を使わないで、ワンランク上の英文を書くためのヒントを挙げてみます。


① "however"を使う。


"however"は「しかし」という意味で使われる場合は、接続詞ではありません。副詞ですので、文頭にもってきても大丈夫です。


副詞は、修飾語ですから、文の中に入れることもできます。


使い方 (ロングマンより)


This is a cheap and simple process. However, there are dangers.
これは安くて簡単なプロセスです。しかし、危険もあります。


There may, however, be other reasons that we don't know about.
しかし、私たちが知らない他の理由があるかもしれません。


「しかし」の他に、"however"は、日本語表現としては次のようなものも考えられます。


しかしながら、
それでも、
そうとはいえ、
といっても、


などです。



⓶ "though"/"although"を使う。


接続詞は、文と文をつなぐものなのですが、そのつなぎかたには2通りあります。


a. 文A +接続詞(butやand, orなど)+文B
(接続詞の前のカンマはないことが多いです。接続詞があることで、文の区切りがわかりやすいからです。あっても間違いではありません。)


b. 接続詞(When, While, As, Because, Though, Althoughなど)+文A+カンマ+文B
(カンマはないこともあります。特に厳しいルールではありませんが、あったほうが分かりやすいです。)
の2パターンです。


文頭に接続詞がついた場合、その文をピリオドで終わらせることはできません。(従属節といいます。)


次は従属節が前に来ている例です。


When I opened the window, it was very cold.


× When I opened the window.


これに対して、後半の、
It was very cold when I opened the window.


のように、従属節を後ろにまわすことができます。



though/althoughはどちらも"though/although+文~"で、「~ということだが」という意味を作ります。


使い方


Though/Although she’s almost 40, she still plans to compete.
彼女は40歳だが、まだ競技に出るつもりだ。



"though"、"although"には次のような働きがあります。(ロングマンより)


used to introduce a statement that makes the main statement coming after it seem surprising, unlikely, or unexpected
その後に続く主文を意外なもの、ありそうもないもの、予想外のものに思わせるような文の導入に使われる


Though/Although ~(従属節) +主節


のように、主節の始まり前にカンマを置くのが普通です。主節の始まりが分かりやすいためです。


"though"と"although"は、どちらも接続詞ですが、この2つの違いは、"though"が、副詞として使うことができる、ということです。


"though"が副詞として使われる場合は、次のような働きをします。(ロングマンより)


used after adding a fact, opinion, or question which seems surprising after what you have just said, or which makes what you have just said seem less true
言ったことの後に意外に思われるような事実、意見、質問を付け加えたり、言ったことが真実でないように思わせたりした後に使われる


Two heart attacks in a year. It hasn’t stopped him smoking, though.
1年に2度心臓発作起こしたんだよ。それでも彼、タバコやめないんだよな。



"although"を文頭ではなく、主節の後に付ける形にすると、ほぼ"but"と同じように使うことができます。


次はロングマンの説明です。


used to add a statement that balances or reduces the effect of what you have just said
言ったことのバランスをとったり、効果を減らしたりするような発言を加えるときに使う


You can copy down my answers, although I’m not sure they’re right.
私の答えが正しいかどうかはわかりませんが、書き写してください。



長くなってしまったので、後半は明日にします。
質問があったら、どんなことでもコメント欄で送ってね。


Englishラボのらぼでした。