1797. ワンランク上を目指す英語表現[56]---ニュアンスを考えて単語を選ぶ。
日本語表現を英語で言おうとしたとき、その場面に合った表現だろうか?と考えることがあります。
先日、「ずうずうしい」を英語で表現するとき、"shameless"と言ってから、これって「厚かましい」かな?とか、"hesitation"は使える?などと考えていたら、頭がゴチャゴチャしてきました。(´;ω;`)
まず、「ずうずうしい」と「厚かましい」の日本語表現の違いをおさえなければなりません。
Webilioによると、
「図々しい」は「人に迷惑をかけても気にしない」という意味であるのに対し、「厚かましい」は「遠慮がなく不躾である」という意味である。 「図々しい」は「厚かましい」よりも少し砕けた印象であるため、改まったシーンで使う場合は「厚かましい」を用いる方が礼儀に適った表現となる。
ということです。
日本語の「ずうずうしい」、「厚かましい」に近い英語表現を考えてみます。日本語のニュアンスの違いが英語表現でも同じように現れるのか、英語表現ではその違いはないのか確かめます。
(英語の定義が複数ある場合は、それらの中に「ずうずうしい」、「厚かましい」という日本語表現に近いと思われるものがあるものを選んでいます。)
① shameless
not seeming to be ashamed of your bad behaviour although other people think you should be ashamed
他人が恥じるべきだと思っていても、自分の悪い行いを恥じていないように見えること
2017年5月にDick King-Smith HQさんによって、ツイッターに投稿された画像です。
Look at this shameless cat, caught in flagrante delicto with some voyeuristic hens.
この恥知らずな猫をご覧ください。盗撮犯の雌鶏たちと現行犯で捕まりました。
She is completely shameless about her ambition.
彼女は自分の野望にずうずうしさを全く感じていない。
I could see in his friend a shameless self-importance.
彼の友達は厚かましくて尊大なように思いました。
They shamelessly helped the political party to get elected.
彼らは厚かましくも、当選するために党に協力しました。
● "shameless"を使う場合、やはり英語では、"shame"「恥」から来るニュアンスが強いです。
⓶ bold
so confident or determined that you sometimes offend people
非常に自信に満ちていて、決断力が強いので人を不快にさせることがある
You should be feeling confident and bold when you meet your bank manager.
銀行の支店長に会うときは、自信や威圧感を持つといいよ。
● 「大胆な」とか、「怖いものがない」といったニュアンスになります。
⓷ impudent
フォーマルな言い方です。
古い感じがする言い方です。
rude and showing no respect to other people
相手に対し失礼で、尊敬の念を表していない
She didn't think the child's questions were endearing -- just impudent.
彼女はその子の質問がかわいらしいとは思いませんでした。ただ、厚かましいと思いました。
● この単語はフォーマルな印象があります。また、日常的に使うにはちょっと古臭いイアン辞がします。
④ brazen
used to describe a person, or the actions of a person, who is not embarrassed about behaving in a wrong or immoral way
間違っていたり、不道徳な行いをしても恥ずかしいと思わない人、あるいはその人の行動を表すのに使われる
動詞もありますが形容詞で使われることが多いです。
[bréizən]ブレイザン、と発音します。
Trade in illegal softwareapes is brazen.
違法なソフトウェアの売買が大ぴらに行われています。
At first I was scared, but as I went on, I became more brazen.
最初は怖かったけど、やっていくうちに図々しくなりました。
●「おおっぴらな」とか、「あからさまな」といったニュアンスです。
⑤ nerve
「神経」という名詞を口語で"have a nerve"として、次のような意味で使います。
if you say someone has a nerve, you mean that they have done something unsuitable or impolite, without seeming to be embarrassed about behaving in this way
"have a nerve"(神経が図太い)と言う場合は、その人が恥ずかしがりもせず何か不適切なことや無礼なことをしたという意味である。
He’s got a nerve asking for more money.
もっとお金をくれって言うなんて、ずうずうしいわ。
‘She didn’t say sorry or anything.’ ‘What a nerve!’
「彼女は謝罪も何もしなかったよ。」「どういう神経してんだ」
She lets me do all the work, and then she has the nerve to criticize my cooking.
彼女は私に仕事を全部やらせておいて、私の料理を批判するなんて図々しいわね。
● 日本語でも、「神経がず太い」という言い方をしますが、「ずうずうしい」に置き替えることができます。
マナーや慣習に関する単語は、文化によってニュアンスが異なります。英語表現をするときは、日本語表現に基づいた意味ではなく、英語そのもののもつニュアンスをとらえて使うようにしましょう。
⑥ hesitation
この単語は、日本語だと、「躊躇(ちゅうちょ)」とか、「迷い」とかに当たるものです。
動詞形は"hesitate"で、次のような意味です。
to pause before saying or doing something because you are nervous or not sure
緊張したり、確信が持てなかったりするために、何かを言ったり実行したりする前に一時停止すること
ですから、"without hesitation"は、「躊躇することなく」となり、「ずうずうしい」という意味とはちょっと異なります。
He agreed without hesitation.
彼は、躊躇することなく同意した。
× 彼は、ずうずうしく同意した。
日本語で、「ずうずうしい」や「厚かましい」という言葉を使った会話文を考えて、それを英語にしてみましょう。今日とりあげた単語以外でも、もちろんOKです。なるべく状況に即した意味が伝わるような英語表現を見つけてみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。
明日は、「ワンランク上の表現」で、接続詞の"but"を使わない表現についてです。
読んでね。
Englishラボのらぼでした。
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