らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

224. それだけのことよ、どうってことない。

Scenario : IH調理器を購入した。初めてなので使い方が分からず、お湯も沸かせない。使用説明書はあるけど、面倒で読みたくない。取り付けに来てくれた電気屋さんにとりあえずお湯の沸かし方と魚の焼き方だけ教えてもらうと、電源入れて、「ピッピッとこことここだけですよ。」ってやってみてくれた。そして・・・。


「これだけです。どってことない、簡単ですよ。」


                                                                    『名探偵コナン』より


"That's all there is to it."


【ポイント】簡単な英語表現のようでも、結構文法的には複雑なものがある。


聞いた時には、"That's all."だけでいいのに・・・。と思いました。"there is to it"が付いてるだけで、文法が気になる。。。Englishラボのアソシエイトとして、表現を研究しているらぼにとっては、格好の材料でした。


高校の授業では、関係代名詞についてはとても細かいところまで教えます。試験にも「どんな関係代名詞が入るかカッコを埋めなさい」などといった問題がよく出ます。生徒が「英語は覚えることがいっぱいあって嫌いです~!」となる原因のひとつです。


このブログですべてを説明することは無理なので、今日のこのフレーズに隠されている文法のみ説明しますね。


まず、関係代名詞"that"が"all"の後に省略されています。つまり、


That's all.      それで全部です。
There is all to it.   それに対してすべてが揃っています。
という内容が、関係代名詞で一つの文に合体されたものです。


"all"が二つの文の共通項ですから、後ろにつける文にある"all"を関係代名詞にします。


ここからが難しいポイント! 次のことを確認します。


★後ろの文の中で"all"は「補語」になってる。(be動詞の後だから目的語ではない。)
★"all"を先行詞にする時は"that"を使う。


このことを踏まえて、That's all + that + there is (all→that) to it     と、合体させます。
                                                         ↑        ↓
               関係代名詞として前へ移動


後ろの"all"は、関係代名詞の"that"となって使われているため、後ろの文から消します。
そして、最終的に関係代名詞の"that"を省略します。


これで、That's all there is to it.   の完成です!


この表現は、今日のようなシチュエーションだけでなく、


「これだけで、もう何も隠してないよ。」
「あと何があるんだよ、もう話すことなんてないよ。」


といった会話でもいけますよ。


文法的にスッキリしたら、もう文法は頭からはずして、一つの表現として、使いましょう。


Englishラボのらぼでした。


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