らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

230. どうも気が向かなくてね。

Scenario : 高校を卒業したら、大学に行かないでミュージシャンの道を歩みたいと思っているのに、親は何としてでも大学に行かせたいようだ。特に父親は自分の卒業した大学を勧めて、是非見学に行けという。うるさいので、行くだけ行ってやろうかと思っているが・・・。


どうも気が向かなくてね。



I don't feel up to it.



【ポイント1】通常肯定文では使わない表現がある。



日本語の「気」は、英語表現では文脈によって、"feeling"や、"energy"、時には”thought"でもよかったり、また、"be willing to"のような熟語で表したりします。


今日の表現の"feel up to ~"は、日本語で言うと「その気になる」、「~する気になる」「気分が乗る」となりそうですが、肯定文では、"feel like ~ing"で表すことが多いと思います。ところが、否定文で、「その気になれないんだよねー。」とか、疑問文で「気が乗らないの?」と言ったり、条件文で「もし気が向いたら」と言う場合には、自然に"not feel up to ~”を使います。


ロングマンの説明にもそのことが言及されています。


"up to something "        ものに対して使う
phrasal verb        句動詞である
 [usually in questions and negatives] informal to have the strength, energy etc to do something
(通常疑問文、否定文で使う)俗語
何かをする強さやエネルギーなどをもっていること
(例)
I just didn’t feel up to going.
ちょっと行く気になれなかっただけなんだ。


【ポイント2】"to"には、不定詞に見えるが実は前置詞のものがあるから注意。


ポイント1で引用したロングマンの例文、
I just didn't feel up to going.
で、"feel up to ~"の"to"が、前置詞であることが分かります。
"going"という動名詞が続いているからです。


"look forward to ~"は、高校の熟語のテストで頻出問題です。「~を楽しみにしている」と、熟語だけの意味を覚えていると、"to"が不定詞のように見えてしまい、(誤)I'm looking forward to see you. としてしまうのです。(正)I'm looking forward to seeing you. 


"look up to ~”はどうでしょうか?
この表現は大抵「人」に対して「~を尊敬する」という意味で用います。


I look up to her.    彼女を尊敬しています。


次の一文はロングマンからの引用です。
I’ve always looked up to Bill for his courage and determination.
私はいつもビルの勇気と決断力を尊敬していた。
この場合の"to"は前置詞です。


"to"の後に動詞が来る時は、"look up"が「顔を上げる」という意味になります。


I looked up to see the view.
私は顔を上げてその景色を見た。


つまり、"to"は不定詞になります。
I looked up, and saw the view.   「顔を上げてその景色を見た。」または、
i looked up in order to see the view. 「その景色を見るために顔を上げた。」
という意味になるからです。


I looked forward to seeing the vies.なら、「その景色を見るのを楽しみにしていた。」になるのにね。。。  "to"は前置詞ね!


Englishラボのらぼでした。