らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

238. 電話誰だったの?

Scenario : 娘のスマホに電話がかかってきた。電話に出るなり、隣の部屋に入ったきり出てこない。話の内容は分からないけど、声の調子がとても嬉しそうなことだけは伝わってくる。それにしてももう30分以上だ。やっと部屋から出てきたので、聞いた。


「電話誰だったの?」



"Who were you on the phone with?"


【ポイント1】"talk"を使わないで「話す」が表せる表現がある。


ネイティブの使っている言語は、文法など考えず、何気なく使っていますが、ネイティブではない人からすると、驚くような表現に出会うことがあります。日本語で、「電話だれだったの?」は、"Who was a phone?"ではありません。"Who was on the phone?"ならOKです。たかが前置詞ですが、重要な役目をしています。今日のフレーズで"with"を抜かして、"Who were you on the phone?"としてしまうと、「電話に出ているアンタ誰?」になってしまいます。


"together"を使わなくても、「一緒」であること、つまり「同じ場所にいる人(もの)」であることが分かる単語があります。"with"です。次の例では、「一緒」という日本語がでてこない"with"です。ロングマンから例を拾ってみました。


I saw Bob in town with his girlfriend.
街でボブがガールフレンドといるところを見た。

I always wear these shoes with this dress.

私はいつもこのドレスには、この靴を履いている。

Mix the powder with boiling water.

その粉を沸騰しているお湯と混ぜてください。

She had her husband with her.

彼女は夫同伴だった。

You’d better bring your passport with you.

パスポートは持って行かなくちゃ行けないよ。


【ポイント2】"whom"はもう古い?でも、"whom"でないといけない場合もあります。


学校では、日本語で「誰を」という意味で、"who"の目的格である"whom"を教えます。しかし、会話ではほとんど聞くことはありません。


"Who were you on the phone with?"の"with"を文頭に持ってくることもできますが、そのとき、"With whom were you on the phone?"となるのです。「誰と一緒だったのか」をかなり強調している感じで、話すときもこの部分を強く言うことになります。


前置詞の後にくる単語の品詞は「目的格」だからです。"with he"ではなく、"with him"ですから。それでも"with who"と言っているネイティブもいるので、将来"whom"はすべて"who"にとって代わるかもしれませんね。日本語でも、「すごいウレシイ」と言うと、「すごく」だろ!と指摘されることがありますしね。


英語を日本語訳で教えていると、時々困ることがあります。目的語は「を」がつくものです、と教えると「好き」「欲しい」"like"、"want"という基本的な動詞の目的語はすべて、「を」ではなく「が」になりますから。「コーヒーが好き」で、「コーヒーを好き」です。
でも「好む」にすると「コーヒーを好む」となることを考えると、「好き」という動詞を使った言い方は昔は「間違った若者言葉」だったのかもしれません。。。「欲しい」は「欲する」と言っていたのでしょうか。。。(勝手な想像です。悪しからず。。。)


ところで、"with"を"whom"と話して、後ろに回すと文頭は"Who"でよくなります。この言い方が一般的だと思います。


Englishラボのらぼでした。