らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

684. 君があんなに頼むから、なんとかサイン入りを1冊手に入れたよ。

Scenario: 大ファンの作家が新作を出版した。来週、夫の勤める会社の前の書店で、作家のサイン会があるという。何とか一冊手に入れて欲しいと思って、何回も一生懸命お願いしていた。すると今日、やっとその本を取り出してこう言った。


「君があんなに頼むから、なんとかサイン入りを一冊、手に入れたよ。」




"You were all over me to get a signed copy of this book."



【ポイン
ト1】"all over"の意味するもの。
"all over"と似たものに"everywhere"があります。"all over"が"everywhere"と違うところは、"everhwhere"が副詞であることに対して、"all over"は、副詞だけでなく、前置詞としても使うことができるところです。


"everywhere"は、主にアメリカ英語の口語として用いられ、「あらゆるところに/あらゆるところで」(=in or to every part of a place)です。日本語表現の「あちこち」という表現が近いと思います。



I've been looking everywhere for my keys.
カギを、あちこち探してるんだ。


There you are. I've been looking for you everywhere.
そこにいたのか。あちこち探してたんだ。




"all over"になると、「何かの表面全体」の感じが出ます。


Jack's clothes were all over the floor.
ジャックの服が床全体に散らかっていた。


Fry the potatoes until they are brown all over.
全体が均一にきつね色になるまでポテトを揚げて下さい。




注:"over"が「終わる」という意味で使われ、"all"がその強調としてつかわれる場合もあります。"be all over"の形で使います。

When the war began in August 1914, they said it would be all over by Christmas.
(1914の8月にその戦争がはじまったとき、彼らはクリスマスの前には全て終わるだろうと言っていた。---マクミランより)


さて、今日のフレーズの中の、"all over me"が問題なのです。


今日のフレーズにある、"you were all over me"は、実際聞いた時には、しつこく、半ば責めるような感じで言っていました。「ガミガミうるさい」がいいかなと思ったのですが、ロングマンの定義を見て、ちょっと考えてしまいました。


そのロングマンの定義はこうです。


"be all over somebody"
informal 
to be trying to kiss someone and touch them, especially in a sexual way

非公式
キスしたり触ろうとしたりすること。特にセクシャルな感じで。

He was all over me at the dance. 彼は、ダンスのときに、私に迫ってきた。


だから、今日のフレーズの中の"all over me"は、「ね、ね、おねが~い!」にしたほうが良い?
それとも、「今日もらってこなかったら、離婚だからね!」のほうが良い?


共通の感覚は、「迫る」というニュアンスだと思います。迫り方は色々ある、ということです。


なので、その場の雰囲気で、"all over me"を使ってくださいね。




【ポイント2】「コピー」の表す意味。


日本語で「コピー」というときは、
「複写」、「複製品」、「キャッチコピー」

のように使っていると思います。


この中で、「キャッチコピー」は和製英語です。"catchy"(人にウケる、覚えやすい)を使って、"a catchy song"や、"a catchy phrase"、"catchy slogans"のように使いますが、普通「宣伝文句」だけなら、"advertising copy"や"sales copy"がいいです。


今日のフレーズの"copy"は次のような意味で使われています。(ロングマンより)


one of many books, magazines, records etc that are all exactly the same
全く同じ本、雑誌、レコードのひとつ


今では、「レコード」はほとんどないので、「同じ本や雑誌のうちの一冊」としておけばいいと思います。また、複数になると、日本語では「部」という言い方になると思います。

More than 85,000 copies of the magazine sold within three weeks.

その雑誌は3週間で8万5千部以上を売り上げた。


Englishラボのらぼでした。