らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

864. 何悩むことあんの?

Scenario: 新型コロナウィルスの感染がかなり減ってきた。ワクチン接種が進んでいるためらしい。CDCは先日マスクをはずしてもよいと発表した。レストランを経営しているので、急な動きに戸惑っている。友人にはこう言われた。


「何悩むことあんの?」



"What is there to think about?"



【ポイント】"There is"構文の主語は?

今日は構文のお話しです。


"There is ~."という言い方は、英語学習の早い時期に習います。
「~があります。」という意味です。


文型は、「S+V+C」で、主語は"there"のように見えます。


しかし、"there"は副詞で、「そこに(で)」という意味なのに、主語になるのか?
という疑問を持ったことがありませんか?


(学校では、「There is 構文」という名前を与えて、特別扱いをしています。)


複数でも、単数でも、"There"はそのままです。


"There"は元来副詞なので、倒置して、「There + 自動詞 + 主語」 の形になっているのだろうと理解していました。


しかし、


ロングマンは、"there"を代名詞として分類しています。

used to say that something exists or happens

何かが存在する、あるいは起こっていると言うときに使う



"there is"のほかに、


there exists
there remains


という形もあります。


複数がくるときは、"there"はそのままで、動詞は後ろにくる名詞に合わせて、"are"になったり、"s"が取れたりします。


ロングマンから例をあげておきます。


Is there any milk left?
ミルク残ってる?

There are a few things we need to discuss.

議論すべきものがいくつかある。

There must be easier ways of doing this.

これをするのにもっと簡単な方法があるに違いない。


There seems to be a lack of communication.
コミュケケーション不足のようだ。


There remain several questions still to be answered.
まだ答えられていない質問がいくつか残っている。

Suddenly
there was a loud explosion.
突然大きな爆発があった。


There were all laughing when there came a knock at the door.
ドアがノックされたとき一斉に笑いが起こった。


こうしてみると、「形式主語」(あるいは「仮主語」)で用いられている、代名詞の"It"のような感覚で"there"が使われているように思います。"here"にはこの用法はありません。


副詞の"there"が文頭に来て倒置したというより、後ろの名詞の「代名詞」として、文頭においてあるもの、と考えた方がよさそうです。




【ポイント2】"There is"と"Here is"には違いがある。



そもそも、日常会話で、
遠くのものに対して、
"There is ~."    「そこに~があります。」
目の前のものに対して、
"Here is ~." 「ここに~があります。」
というシチュエーションはまずないですね。



ロングマンでは、"here"と"there"の分類が違います。


"there"は、代名詞、副詞、間投詞


"here"は副詞


です。


"There is"と"Here is"についても異なります。
https://www.ldoceonline.com/jp/dictionary/here
にある説明がこちら。 ↓

• Use here is when giving or showing something to someone:

Here is the book you wanted.


• Use there is or there are to say what is in a place:

There are many species of birds here.

✗Don’t say: Here are many species of birds.


"Here is"は、あくまで、何かを渡したり、見せたりする時に使う。
"There is/are"は何が(ある場所に)ある、と言うときに使う。


ということです。



Here comes the bus. バスが来たよ。


は、倒置です。The bus comes here.の"here"が文頭に出て、その後が"V+S”になります。


ただし、主語が代名詞の場合は副詞が前に出るだけです。


Here it comes.    来たよ。
Here we are.    着いたよ。



明日は、「成績優秀者名簿に載ってる。」です。
読んでね。


Englishラボのらぼでした。