らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

954. じゃなきゃいいけどね。

Scenario: 新型コロナウィルスの影響で給料の支払いが遅れている。昨日も通帳をチェックしたが入っていなかった。これで2週間も遅れていることになる。社長が従業員に話があるということなのでこれからみんなで聞きに行く。「給料遅延の話かな。」と同僚が言ったが、ほぼその話だと確信している私はひとことこう言った。


「じゃなきゃいいけどね。」



"It better not be."



【ポイント1】「じゃなきゃいいけどね。」という表現が伝えること。


まず、今日のこのフレーズは、相手が言ったことを受けて「違うことを強く望む」といったニュアンスを含む口語的な用法です。


話の内容によって、次のような日本語表現が考えられます。


悪い話の場合
「じゃなきゃいいんですがね。」


良い話の場合
「違ったら怒るよ。」


といったやりとりの状況で、悪い話と良い話で、日本語の表現が全く異なります。
しかし、英語では、


It/This better not be. 


だけで済みます。



【ポイント2】口語では、"had better"の"had"が省略されたり、主語が、「人」でないことがある。


"had better"の主語は普通、「人」になります。
そして口語では、"had"を短縮形で、"You'd better..."のように言うので、ほとんど"d"が聞こえません。省略してしまって、"better"だけにすることがあります。こうなると"You
better..."になります。


ロングマンにこのような注意が書いてあります。


In speech, people usually shorten had to ’d, and may not pronounce it at all. But do not leave out had or ’d in writing: You’d better (NOT You better) come here!


口で言う場合、普通’dという省略形を使うので、全く発音されないかもしれない。しかし、書くときに省略して"You better come here!"と書かないこと。"You(d better come here!"と書くこと。はしてはいけない。



"had better"は「~したほうがいい」という日本語表現で学校でならいますね。"had better"でひとつの助動詞として扱うため、"not"の位置は、"had not better"ではなく、"had better not"になります。ここで、"had"が省略されると今日のフレーズのように、"...better not be."という語順になります。


ロングマンに記載があるように、ライティングのときには、"had"を省略してはだめですよ!


S + (had) better + (not) + 原形動詞  (hadの省略は口語のみ)


と言う形で、主語が人になる場合、「~したほうがいい」、「~しない(~でない)ほうがいい」(でないと大変なことになる)という「警告」に近い表現になります。


You (had) better not go. 行かない方がいいよ。(そこは危険だよ、という警告。)


今日のフレーズの様に、主語が「人」ではない場合は、口語表現です。「もの」や「こと」に警告はできないので、それに対応する日本語表現は状況によって様々になるでしょう。ですが、「強く主張している感じ」を出す表現がいいと思います。


This better be important. 重要な話なんだろうな。(くだらない話じゃないだろうな。)
That better be true.    本当だよな。



明日は、「俺は昔からエスプレッソ好きだよ。」です。読んでね。



Englishラボのらぼでした。