らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1051. お力になれずごめんなさい。

Scenario: 駅の近くで手頃な値段のアパートを探しているのだが、なかなか望み通りの物件が見つからない。今日も不動産屋を何軒かまわったが、結局こう言われてしまった。


「お力になれずすみません。」




"I'm sorry, I couldn't be of more help."



【ポイント1】"I wish I could."と"couldn't"の違い。



今日のフレーズを、


"I wish I could be of more help."と言っても、「お力になれずにすみません。」ということが伝わります。


"I wish"を使うと、「現実ではそうではないが、そうであることを望む」ということを伝えるからです。仮定法です。この場合は"I wish"の後に過去形を使います。


I wish I were a bird.  という学校のテキストに載っている例文がありますが、「現実には鳥ではないが、鳥ならいいな。」ということを意味します。


"couldn't"は、単に「~できなかった」と言いたいときに使えます。
"I couldn't be of more help."だけでも、残念な気持ちは口調などで通じると思いますが、"I'm sorry,"をつけることで、済まない気持ちをはっきり表しています。


「~できないならいいな。」という場合はまずないですね。ですから、
"I wish I could."はよく使うけれど、"I wish I couldn't."を使う頻度はとても低いと思います。




【ポイント2】「できた」は"could"を使わない方が良い。



日本語表現から考えると、「できた」は「できる」の過去だから、"can"の過去形である"could"を使えばいいと思ってしまいますが、そこには落とし穴があります。


肯定文で"could"を使うと、「(もしかしたら)あり得る」という意味で伝わる場合が多いのです。

"Could you ~?"が丁寧ないいかたとして伝わるのは、日本語で時々耳にする、
「もしかして、~できたりしますか?」というちょっと変な今風な丁寧な言い回しで説明すればいいかもしれません。結局、「場合によ
れば・・・できますか?」といった仮定の意味を含んだ言い方なので、「丁寧」な感じが伝わるのでしょう。


日本語の「できた」は、英語では過去形はどうなるのでしょう。実際に「やった」ということが、「できた」ニュアンスを含んでいると思います。ですから、


I made it!
I did it!


が、「やったー!」という日本語の感覚です。


「君ならできる!」は、


You can make it!
You can do it!


と言って励まします。しかし、


「できました!」


と言う時は"can"を過去にして、


I could make it!
I could do it!


とは言いません。


子供に「ブロッコリー食べられたね!」と褒めるときも、特にその能力を褒めているのではなく、「ブロッコリー食べたのね!」で褒めてあげればいいでしょう。


捜し物を探し当てた人に、「見つけられたのね!」は、”You were able to find it!"でもいいですが、単に「見つけたんだね!」"You found it!"でいいと思います。


その時の「能力」を強調するときは、"was able to"を使うほうが適している場合もあります。
He was able to see the road even in the fog.
彼は切りの中でも道を見つけることができた。


のように。



【ポイント3】「of + 抽象名詞」は形容詞として使える。


学校で習った時、特殊な用法の感じがしたと思いますが、以外と日常会話で使えます。


抽象名詞というのは、冠詞がなく、目に見えないものを指します。


「助け」、「重要性」、「価値」などです。


be動詞のあとで使われることが多いです。


使い方はかなり限られているので、日常会話では次の3つで十分だと思います。



of importance=important      重要な
of help = helpful       役に立つ
of use  = useful        使える


"of no importance"のように、"no"を入れて否定の意味にしたり、今日のフレーズのように"more"をつけて使ったりすることもよくあります。


明日は、「戻って仲直りしなよ。」です。
読んでね。



Englishラボのらぼでした。