らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1287. 先生って生徒が使う言い方だよね。

Scenario: 高校で数学の教師をしている。うちの高校では英語教師は全員アメリカ人だ。日本の学校では先生同士でも、「〇〇先生」と呼び合うのが通例のため、彼のことをMr. Burtonと呼ぶと、彼はこう言った。


「バートン先生って呼ぶのは生徒だろ。」



"Mr. Burton is for my students."




【ポイント1】「〇〇先生」の英語での言い方。


アメリカ人が日本人の「先生」の使い方に違和感を感じる人が多いようです。


"Mr."や、"Mrs / Ms" はいわゆる「敬称」なので、その言い方を使うか使わないかは、どれだけ親しいかによります。また、初対面の人であっても、"Please call me Tom."(トムと呼んでください。)というように、相手から敬称を使わなくても良いと言われることもあります。


アメリカにいて、相手のことをどう呼べばいいのか迷った場合は、まず"Mr."など、敬称を付けて呼んでおくと無難だと思います。相手から、"Please call me Tom."などと、言ってくれるのが普通です。言われなければそのまま敬称を使い続ければいいわけです。医者は、"Dr."を付けるのが普通です。


日本にいるアメリカ人は、日本語の「先生」の使い方に慣れていないので、周りが「先生」と言っているようだと分かると、日本式に「〇〇Sensei」と言っています。日本では、日本の文化に合わせているわけです。


英語の授業のときは、英語圏の文化に合わせるのがいいと思います。つまり、アメリカ人の先生には、"Mr."など敬称を付けるということです。もし、先生の方から、ファーストネームで呼んでくれと言われるとその通りにすればいいです。ただし、そういわれるのは、会話のみを教えている、ALT(Assistant Language Teacher---英語助手)の人の中に多いです。日本の教師の資格を持っていないことを意識しているようです。


「先生」は、"teacher"なので、「〇〇Teacher」というのは間違いです。また、名前を入れずにただ、「先生!」と呼ぶことがありますが、"Teacher!"とは言いません。必ず、敬称を付けた名字で呼びます。



【ポイント2】"for"を「~のために」と表現すると不自然になる場合がある。


今日のフレーズは、「バートン先生は、私の生徒のためのものです。」と訳すと、今日のシチュエーションに合わない表現になります。つまり、同僚から「バートン先生」と呼ばれることに違和感を持っているということを伝えたかったのです。


前置詞の"for"は、日本人にとって日本語にするときに「~のために」と訳すことが多いですが、ニュアンスは合っているけれど、実際の日本語にすると不自然なことがあります。


そうした例を集めてみました。カッコで示した日本語は「~ために」を使って表現したものです。(ロングマンを参照しました。)


This book is not for everyone.
この本は万人向きじゃない。(みんなのためにあるのではない。)


He works for the BBC.
彼はBBCで働いています。 (BBCのために働いています。)


City life is not for me.
都会の生活は私に合わない。  (都会の生活は私のためではない。)


We need a new battery for the radio.
そのラジオには新しい電池がいるな。 (そのラジオのための新しい電池がいる。)


Let me carry that bag for you.
そのバッグ、持ってあげるよ。   (あなたために持ってあげるよ。)


This is for pulling up weeds.
この道具は草取り用だよ。   (草を抜くためのものだよ。)


I paid $3 for a ticket.
チケット1枚3ドルだったよ。  (1枚のチケットのために3ドル払った。)


He placed an order for 200 copies.
彼は本を200冊注文した。    (200冊のための注文をした。)


For more information, write to the address below.
詳しくは、下記の住所までお問い合わせください。 (さらなる情報のために)


I'm babysitting for Jo on Friday night.   
金曜の夜にジョーの子守をするんだ。   (ジョーのために子守をする)


These chairs are for the office.
この椅子はオフィス向きだ。   (オフィスのための椅子)


He writes for the "Washington Post".
「ワシントン・ポスト」紙に寄稿している。   (「ワシントン・ポスト」のために書いている。)


I have a present for you.
君にプレゼントがあるんだ。    (君のためのプレゼントがあるんだ。)



"for"を[ために」と訳すと日本語が不自然になる例を考えてみましょう。
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明日は、「こんなのあったよ。」です。
読んでね。