らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1327. ライティング編:ワンランク上の表現にする英語[10]---"カンマ+which"を使う。

Context: 最近自転車が人気だ。車による道路の混雑を避けるためもあるが、健康のために自転車を利用する人が増えている。自転車の種類もここ数年でかなり増えているらしい。自転車が発明されて200年と聞いて驚いた。


この200年の間に、都市に住む人々はさまざまな特有の自転車サブカルチャーを生み出してきた。そしてそれが街そのものの多様性を映し出している。




Over the last 200 years, city residents have created a variety of distinct bicycle subcultures, which reflect the diversity of the city itself.



【ポイント1】"カンマ+which”の基本的な使い方と意味。


"カンマ+which"の基本的な使い方は2つあります。



① 直前の名詞(先行詞)について説明を加える。→ 「それ(それら)は~」(whichの後の動詞が単数を受けるか複数を受けるかは先行詞による。)


② 前全体の文を指す代名詞として"which"を置く→ 「そのことは~」(単数扱い)



こ今日のフレーズは①の場合で、動詞が"reflect"となっており、"which"は前の複数の名詞、"a variety of distinct bicycle subcultures"を指しています。


この手法を用いると、文全体が長くなりますが、ピリオドや接続詞を節約することができます。


① の場合は、"which"ばかりでなく、"who"もよく使われます。また、先行詞が固有名詞など、一つしかないものや人の場合は、必ずカンマが必要です。




【ポイント2】"カンマ+which"が使われる場合に注目しよう。



ライティングで、"カンマ+which"が使われている実例を見ます。



まず、
日本人の建築家が設計したブタペストの多目的会場の説明文の一部を見ます。



実例1.


There may not be 4,000 holes in Budapest, but the next best thing is the perforated white roof atop Sou Fujimoto’s House of Music in City Park. Its 100 or so cavities allow natural light, trees and sound to infiltrate the two performance venues, exhibition spaces and library, which are linked by magnificent spiral staircases.


ブダペストには4,000個の穴はありませんが、それに匹敵するのが、シティパークにある藤本壮介氏の「音楽の家」の屋根にある穴のあいた白い屋根です。この100個ほどの穴から、自然の光、木々、音が、2つの演奏会場、展示スペース、図書館に入り込みます。そしてこれらが、壮大な螺旋階段で結れているのです。
22 Best New Things to do in the World in 2022より)


● "カンマ+witch"は、"and they"と書くこともできますが、""which"を使うことで、前の例をさしていることが明瞭になります。



実例2.


"because"という接続詞がないのに、後半が理由だということが分かります。


Some exercisers may prefer neck gaiters (also called buffs), which can be pulled up over the mouth and nose but remain open at the bottom, increasing air flow.


運動する人はネックゲイター(バフともよばれています)のほうがいいかもしれません。口や鼻の上に引き上げても、下がオープンになっているので、より空気の流れを作り出すからです。
(The New York Timesより)


● "neck gaiters"というものについて、説明を付け加えていることがはっきりします。



実例3.


Under the mayor’s plan, there will probably be no more than a dozen people in a classroom at a time, including teachers and aides, a stark change from typical class size in New York City schools, which can hover around 30 children.
(The New York Timesより)


"which can hover around 30 children"の、"which"は、”New York City schools"の説明として付けられている形です。"New York City schools"の説明として、"カンマ+which"をつけて、その部分が最後にくるように書かれています。


市長のプランによると、(コロナ感染を恐れて)一つの教室には先生や助手も含めて一度に10人程度しか入れない。ニューヨークの教室には普通およそ30人の子供がはいれるのだ。ニューヨークの学校の典型的なクラスのサイズから見ると寒々とした変化だ。


● 「ニューヨークの学校の典型的なクラスのサイズ」という「句」をさすことがあります。




実例4.


 That’s because the arts and entertainment industry is in the fourth phase of New York state’s official reopening plan, which calls for gradually putting certain business sectors back online as long as the state meets certain metrics.
MarketWatchより)


というのも、芸術・娯楽産業は、ニューヨーク州の公式再開計画の第4段階に入っているからだ。この計画では、州が一定の指標を満たす限り、特定のビジネス分野を徐々にオンラインに戻していくことになっている。


●  "which"以下の文にさらに"as long as"という接続詞をつけた例です。



実例5.


As a press release explains, “Culture Pass will provide digital programs on subjects ranging from Native American history to music classes to understanding the census and more.” There are 75 participating institutions, which include the American Museum of Natural History, Bronx Museum of the Arts, Brooklyn Children’s Museum, the Met, MoMA, Museum of the Moving Image, Museum of the City of New York, New York Botanical Garden, New York Transit Museum, The Shed, and Second Stage Theater.
 The New York Timesより


プレスリリースの説明によると、"カルチャーパスでは、ネイティブアメリカンの歴史から音楽教室、国勢調査の理解など、様々なテーマのデジタルプログラムを提供する "とのことだ。参加施設は、アメリカ自然史博物館、ブロンクス美術館、ブルックリン子供博物館、メット、MoMA、映像博物館、ニューヨーク市博物館、ニューヨーク植物園、ニューヨーク交通博物館、The Shed、セカンドステージ劇場を含む75施設である。


● "カンマ+which include"を使えば、"for example"を使うより、フォーマルな表現ができます。



実例6.


Customers can actually play two exciting and immersive multiplayer virtual reality games — "Chaos at Hogwarts," which places them inside the castle, where magical creatures and secrets are ready to be found, and "Wizards Take Flight," which lets guests fly on brooms as they battle against Death Eaters over the skies of London and around the grounds of Hogwarts Castle.


入店すると、実際に2種類の面白くて夢中になる、複数で行うバーチャルリアリティーゲームができます。ひとつは、「ホグワーツのカオス」で不思議な生き物や秘密が見つかるお城の中にお客様をお連れします。もうひとつの「魔法使いの飛行」では、ホウキに乗って空を飛び、ロンドンの上空やホグワーツ・キャッスルの周りにいる「デスイーター」とバトルを繰り広げます。
Harry Potter Store in NYCより)


● 先行詞が固有名詞なので、"カンマ+which"を使って、説明を挿入しています。



実例7.


Since vaccines became widely available this year, working-class people have been less likely to get a shot. At first, vaccine access was playing a major role. Today, vaccine skepticism is the dominant explanation. (All of which suggests that Covid will continue to exacerbate health disparities beyond 2020.)
(The New York Timesより)


今年ワクチンが広く接種できるようになったが、労働者階級の人々には接種が行き渡っていない。以前はワクチン接種へのアクセスの悪さが主要原因だった。今はワクチンに対する疑念の広がりが主な原因だ。(このようなこと全てから、コロナでは2020年以降も健康の落差は続くと言われている。


● "which"の前に、"all of"を入れた形です。"which"は代名詞なので、このような書き方もできます。ここでは、カンマではなく、ピリオドを使っていますが、"which"の前にある3つの独立した文の内容を含むためです。



ワンランク上の英文を書くためのまとめ


● ", which"を使って、前の名詞や文の説明を前の文に続けて途切れることなく続けることができる。


● 挿入の形にして、文の中に組み込むこともできる。


● "which"の前に、"all of"など、別の要素を置くことができる。


さあ、書いてみましょう。


"カンマ+which"の手法を使って、文を書いてみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。


明日は、"with"を使って付帯状況を表すワンランク上の英文が書けるワザをご紹介します。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。