1383. ライティング編:ワンランク上の表現にする英語[16]---単語を増やす。
ライティングをする時に、自分の単語力が不足していることを感じることがあります。日常のちょっとした出来事や情景も単語次第で、ワンランク上の文章になることがあります。
今日はThe New York Timesに連載されている、読者からの秀逸なダイアリーから、どのように表現されているのかを見て、単語を増やしましょう。(取り上げた中には、単語以外のものも入っています。)
原文とイラスト(アグネス・リーさんによるもの)はこちらからです。
‘He Assessed the Situation and Drove Through Without Turning’ - The New York Times
【ポイント】英語でその場の状況を伝えるための単語を増やす。
文を短く切って、そこで使われている単語、文法を見ていきます。
①8月の蒸し暑い午後でした。私は新規クライアント獲得のため、タクシーを拾ってアップタウンに行く間にも、空模様はあやしくなってきました。
① It was a muggy August afternoon, and the skies were threatening as I hailed a cab to head uptown to make a pitch to a potential client.
①-1.
It was a muggy August afternoon.
蒸し暑い→ muggy
8月の午後 → August afternoon という名詞を使っています。
①-2.
the skies were threatening
(空模様が怪しかった。)
"threatening"
動詞は、"threaten"(~を脅す)
悪い方に急に変わりそうなときに使える形容詞です。
His voice sounded threatening.
彼の声は、脅迫めいていた。
①-3
I hailed a cab.
"hail"
「おーい、こっちかこっち!」、など、人に声をかけて挨拶をしたり、注意を向かせたりする動詞です。アメリカで、タクシーを拾うときに「タクシー!」と言う人が多いので、タクシーを拾うという意味になっています。これからは、アプリでタクシーを呼ぶことが多くなるでしょうから、"hail a cab"自体、なくなるかもしれませんね。
①-4
head uptown
"head"
副詞と共に使って、「~へ向かう」という意味になります。この"uptown"は、「アップタウン(方向)へ」という副詞です。
進行形にもなります。"be heading home/north"の"home"や"north"は、「自宅へ」、「北へ」といった副詞です。
名詞を続ける場合は、"for"を付けます。"head for Tokyo"のように。
①-5
make a/~'s pitch (for something) to 人
"pitch"
売り込み
ここでの"make a pitch to 人"はプレゼンテーションをして顧客を獲得しようとしていることを意味しています。非公式な言い方です。
①-6
a potential client
"potential"
潜在的な
ここでは、「潜在的なクライアント」つまり、「クライアントになりそうな人」ということです。
"potential ~"は、次のようなバリエーションでよく使われます。
a potential customer
a potential buyer
a potential candidate
a potential problem
a potential threat
a potential risk
a potential danger
a potential benefit
② タクシーに乗ると同時に豪雨が降り出し、目的地の西57丁目に着いた時には、道路の側溝はすべて水浸しになっていた。
②A torrential rain started just as I got in the cab and by the time we reached my destination on West 57th Street, the streets were flooded gutter to gutter.
②-1
a torrential rain
豪雨
"very heavy rain"のことです。
一般的には無冠詞で使いますが、一時的な降り方であれば、本文にあるように"a"を付けたり、特定のものを指す場合は、"the"を付けたり、 "last week's torrential rains"(先週何回もあった豪雨)のように表現することもあります。
②-2
~ are flooded
~が水浸しだ
"a flood of refugees"(難民の流入)のように比ゆ的に用いられることもあります。「どっと押し寄せる」イメージです。
「洪水」という意味では"floods"と複数形になることが多いです。
動詞の"flood"は自動詞、他動詞のどちらでも使えます。
The river flooded.
川の水があふれた。
The town was flooded.
その町が水浸しになった。/洪水に見舞われた。
次のような比ゆ的な使い方もできます。
Refugees are flooding across the border.
難民が国境を越えて押し寄せている。
Light flooded into the kitchen.
光がキッチンにあふれた。
②-3
"gutter"
道路の側溝ばかりでなく、屋根の「とゆ」をさすこともあります。
ボウリングレーンの両端にあるのも「ガター」ですね。
「ガーター」は靴下をはめる下着で、"garter"です。
③ タクシーからそおっと降りると、滝のような雨に流れ落ち、右の靴はそのまま東へ流されて、見えなくなった。
I stepped out of the cab gingerly only to have a cascade of rainwater sweep off my right shoe and propel it eastbound, never to be seen again.
③-1
"gingerly"
「ショウガ(ginger)」ではありません。
何か恐ろしいことが起こるかもと思って「おそるおそる」何かを行う時に使う副詞です。
形容詞としても使えます。
③-2
a cascade of ~
"cascade"は、幅の広い小さな滝(のようなもの)のことです。
「垂れ(幕)」という意味になることもあります。
"a cascade of ~は、何かが滝のような状態で落ちてくる状態を表します。
何かが次々と連続して起こるような比喩として使うことがあります。
垂れ下がっているものにも使えます。日本語では、「~のトンネル」と言った表現をすることがあります。
beneath a cascade of tropical plants
熱帯植物のトンネルの(が垂れ下がっている)下で
a cascade of problems
次々と降りかかる問題
③-3
"propel ~"
前に押し出す感じを表す動詞です。物にも人にも使えます。結構力強い感じがします。
「突き動かす」、「背中を押す」、「推進する」など、比ゆ的にも使われます。
今日とりあげた単語や文法事項のどれでもいいので、最低1つ使って日記やメール、投稿文などを作ってみてください。きっとワンランク上の文が書けるはず!
できたらコメント欄で送ってね。
明日は、今日のダイアリーの続きです。靴を片方なくすって相当辛いことのはず。。。プレゼン、どうなるでしょうね。。。
Englishラボのらぼでした。
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