らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1757. ワンランク上を目指す英語表現[52]--- "no more"のとらえ方。

比較構文というのは、多くのパターンがあるため、学校で文法として教える場合、とても苦労します。


特に、否定語の"no"が付いていると、日本語表現とかなりかけ離れた表現になるものが多いので、日本語で書かれた英語構文の表現は暗記するのが大変です。しかし、実際の会話では、比較を表す表現はもっとシンプルなものです。


今日は、まず、次の2つの表現を見てみましょう。


"Say No! more!"
「もっとノー!と言おう!」





"Say no more!"
「もうそれ以上言わなくていいです。」




上は、


"Say No! +more."で、


下は、


"Say + no more."


です。 


この2つは、使われている状況が異なり、全く別の意味です。


今日、考えたいのは、下の"no more"についてです。



【ポイント】"no more"の使い方。


ロングマンには、"no more"としての記載がありません。


しかし、"no more than"と、"no more + 名詞"の形は次のようによく使われます。


"no more than"(ただの~に過ぎない/~でしかない)


Woman was no more than a useful object for a man.
女は男にとって便利な物でしかなかったのです。



"no more +名詞"


There is no more time for discussion.
これ以上議論する時間がない



"no more"を単独で使う場合は、これらとは異なり、次のような使い方をしています。こちらでは、スラング的な使い方としています。)


● "not ~ anymore"や、"not ~ any more"と同じ。


"anymore"は一語の副詞、"any more"は、後ろに名詞が続く形でその名詞が省略された形です。


I’ll pay you $50 and no more. 

I'll pay you $50 and I won't pay any more (money). 

50ドル払うけど、それ以上は払わないよ。



● "no more"が、"no longer"の意味で用いられる。


The shop is no more.

The shop no longer exists.
もう店はないよ。


● イディオムとして用いられる。


Say no more.

Don’t say anything more.

それ以上言うなよ。


ロングマンにこの表現について記載があります。


"say no more"
said to show that you understand exactly what the other person is suggesting

自分が相手の言いたいことを理解していると言うときに使う言い方


それだけ言えばいいだろ。
それ以上言う必要はない。
分かったからもう言うな。
もういいよ、分かったよ。


といった日本語表現が考えられます。


そのほか、次のように使っています。


‘I saw him leaving her house at 6.30 this morning.’ ‘Say no more!
「今朝6時半に彼が彼女の家を出るのを見ました。」「それ以上言うな。」



"Say more!"は、その反対の意味です。


「もっと言って!」
「もっと聞かせて!」


となり、"more"は、単に"say"の目的語になっている代名詞ととらえればいいと思います。


"Say No! more."では、"more"は、副詞になります。



"no more than"と"not....more than"を使った文を一つずつ作ってみてください。
できたらコメント欄で送ってね。


明日は、「お料理が4段の重箱に入ってる。」です。読んでね。

Englishラボのらぼでした。