らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1759. 自分を安売りするなよ。

Scenario: 今の会社に勤めて15年になる。先月知り合いから自分の会社に来ないかと言われ、心が動いている。年収は今より100万円上がるのも魅力だと思ったが、友人に年収は倍を狙えと言われた。


「自分を安売りするなよ。」




"Don’t sell yourself short."



【ポイント1】"short"は「短い」という意味だけではない。


日本語で「短い」は「時間」や「距離」の「長さ」について言う時に使います。


英語では、それ以外に次のような場合にも、"short"を使います。(ロングマンを参照して整理します。)


① 「背が低い」


He’s a bit shorter than me.
彼は私より少し背が低い



② 「単語の数が少ない」本や手紙など


a short novel   短編小説 


"a short story"も、「短編小説」と表現できますが、主に想像上の背景と人物について書かれた短い話のことです。


I wrote a short note to explain.
私は説明するために短いメモを書きました。



⓷ 「お金が足りない」


Can you lend me a couple of dollars? I’m a little short.
2,3ドル貸してくれませんか?ちょっと足りないんです


Our libraries are short of funds.
図書館が資金不足です。


Have you all paid me?  I’m about $9 short.
全額払ってくれた? 9ドル足りないんです。



④ 「十分ではない」


Money was short in those days.
当時はお金がなかったからね。


It’s going to be difficult – time is short.
難しいだろうな。時間がないから。


Gasoline was in short supply after the war.
戦後、ガソリンは不足していました。



④のニュアンスは、"not enough"です。⓷の「足りない」と共通する部分があると思いますが、⓷の場合は、ある一定の基準があって、それに対して「足りない」ということです。
④ の「十分ではない」は「基準」がはっきり数値で表せるというより、ただ「足りないとと感じる」状態です。



今日のフレーズの、


"Don't sell yourself short."


も、④のニュアンスに当てはまります。


自分のことを「十分ではない」と考えるな。


ということで、「お前には、自分が考える以上に評価できる部分があるんだ」


と励ましている表現です。





【ポイント2】"yourself"を他の単語に置き替えるとどうなるか?


今日のフレーズの目的語である"yourself"は再帰代名詞になっており、この"-self"が付くときは、主語と同じものが目的語になっている場合です。命令文には主語がありませんが、動作の主体は"You"です。


"Enjoy yourself!" 
楽しんで!
(「自分自身から楽しみを得なさい」といった感じです。)


にも同じことが言えます。


"sell somebody short"は、英語では、"sell yourself short"で使われることが多いと思います。


ロングマンでは、


sell somebody/something short


として、定義は、


to not give someone or something the praise, attention, or reward that they deserve
人や物にふさわしい賞賛、注目、報酬を与えないこと


となっていますが、


ケンブリッジでは、


sell someone/yourself/something short


と、"yourself"を"someone"の他に付け加えています。
そして、定義は、


to not consider someone or something to be as valuable or good as he, she, or it deserves
人や物を、それ相応の価値または良いものと見なさないこと


となっています。


「自分」(yourself)が目的語になっている場合、日本語では、


「自分を安売りするな」


になりますが、


目的語が他の単語の場合は、どうなるでしょう?


ロングマンの一例を見てみます。


Don't sell this guy short - there's more to him than just good looks.
この男、そんなもんじゃないです。ルックスがいいだけじゃないですよ。


この場合、"yourself"のときと同じように日本語っで表現すると、


「この男を安売りしないでください。」


となるわけですが、個人的には、「安売り」という単語を使うより、


この男、そんなもんじゃないです。
この男、過小評価しないでください。
この男、ちゃんと評価してください。


といった、表現のほうがいいと思います。


英語で一語の動詞では、"underestimate"のニュアンスが近いです。


"underestimate"
to think that someone is not as good, clever, or skilful, as they really are
人が実際ほど優れていない、賢くない、巧くないと思うこと

(ロングマンより)


「物」について、実際に「安売り」する場合には、"discount"を使った方がいいと思います。



"sell ~ short"を使った会話文を作ってみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。


明日は、「3回勝負だよね。」です。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。