らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

356. 全部はっきりさせてから。

Scenario : ある議員が収賄の疑いで逮捕されたという報道が流れた。要職についていた議員だけに驚きが大きく、連日ワイドショーなどで話題になっている。本人は完全否定しているらしいが、離党して収監されているという。党の幹部が記者会見に臨んで、事情をきかれていたが、党としても詳細を把握しておらず、次のように言っていた。


「全てはっきりしてからにします。」



"Not until I get the all clear."


ポイント】会話では、"not until ~"は独立して、「~してから」という意味になる。



「~から」と言うと、まず"from"を思い浮かべると思いますが、ここでは、"from"に置き換えることはできません。


‘Can I go out and play now?’ ‘Not until you’ve done your homework.’(ロングマンより)
「外で遊んでいい?」 「宿題が済むまでだめよ。→宿題が済んでからね。」


このように、前に言われたことを受けて、「~まではだめ」つまり、「~してから」となるからです。


"until"は接続詞であると同時に、前置詞でもあります。


It was not until 1972 that the war finally came to an end.(ロングマンより)
1972年になってはじめて戦争が終わりを迎えた。


これは、強調構文です。
"not until 1972" を強調して、まず、"It was not until 1972"と言い、その内容を"that"以下でつけ加えています。


「1972年までではなかった」 → 「戦争が終わりを迎えたのは」


これを自然な日本語にすると、


「戦争が終わりを迎えたのは、1972年になってからだった。」
「1972年になってやっと戦争が終わりを迎えた。」


という表現になります。


学校では、It is(was) not until ~ that.....」で、
「....してはじめて~」という訳がついていたと思いますが、考え方は同じことです。
強調構文では、"It is(was)"と"that"を省略しても、文としては成立します。ただし、"It is"と"that"を省略すると、否定語の"Not"が文頭に来るため、その後は疑問文の語順に倒置することが原則です。
Not until I got home, did I realize I left my smartphone at my workplace.


Englishラボのらぼでした。