らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

368. そこには彼が命をかけるだけのものがあった。

Scenario : お正月にはよくスポーツ中継を観る。箱根駅伝は中でも出場する大学生の箱根にかける魂を感じて、毎年感動がある。優勝した大学の選手インタビューを聞くと、どれだけこの日のために辛い練習に耐えてきたのかがわかる。インタビュー後に解説者がひとことこういった。


「彼が命をかけるだけの何かがそこにあったんですね。」



"There was something that he felt was worth risking his life for."



【ポイント1】英語では「リスク」を動詞で使うことがある。


"risk"を動詞で使うときは他動詞になります。ロングマンから用法を見ます。


"risk"
to put something in a situation in which it could be lost, destroyed, or harmed 
何かを失う、だめにする、傷つけるかもしれない状況に置くこと


(例)
When children start smoking, they don’t realize that they’re risking their health.
子供が喫煙を始めるとき、彼らは自分たちの健康を損なう危険性をおかしているということを分かっていない。


He’s prepared to risk everything to avoid this war.
彼はこの戦争を避けるためにすべてを犠牲にする覚悟だった。


You’d be crazy to risk your money on an investment like that!
あんな投資にお金をかけるなんてなんてヤツだ!
    
【ポイント2】らぼ的な"worth"の簡単な考え方。


"worth"のことを書くに当たって、とても困ったことがあります。
ロングマンに定義が載っていないのです。ただ「形容詞」とあるだけです。
そして後は、決まった使い方がて載っているだけ。


ロングマンには"worth"の品詞として「形容詞」の他に「名詞」と「前置詞」が挙げられています。
「前置詞」はそのものに意味があるというよりは、ニュアンスで使うものだと思いますので、"worth"も「~の価値がある」というニュアンスで使われているものととらえればいいのではないかと思います。それがほとんどbe動詞の後で使われているので、前置詞というより形容詞的な色合いのほうが強くなっている、という感じます。


前置詞の"about"と並べて考えるといいかもしれません。


This book is worth reading.     
この本は読む価値がある。     ×This book is worth to read.


This book is about cooking.  
この本は料理についての本だ。    ×This book is about to cook.


What's it worth?    それは何の価値があるのか?
What's it about?    それは何についてのことか?


It's worth it. (その価値がある。)も、worthを前置詞として考えれば、後ろに名詞がきても自然です。


次の例(ロングマンより)の"worth"は名詞です。


I am willing to buy £100,000 worth of bonds.
私はよろこんで10万ポンドの価値がある債券を購入しよう。



【ポイント3】挿入はカッコつきで関係詞の直後に投入。


今日のフレーズの中の"he felt"をカッコに入れてしまいましょう。
There was something that (he felt) was worth risking his life for.

"he felt" をカッコに入れるだけで、その後が彼が感じたことだということを伝えることができます。


He is a person who I thought was talented.
彼は私が才能があると思った人です。


Englishラボのらぼでした。