らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

397. 彼には随分苦労させられたわ。

Scenario : 芸術家と結婚した友人に久しぶりに会った。現在は海外でも評価されているアーティストになったご主人だが、結婚当時はほとんど収入がなく、彼女は仕事を色々掛け持ちして彼の活動を支えてきたことが分かって、大変だったわね、と言うと彼女がこう言って本音を漏らした。


「彼にはすごく苦労させられたわ。」



"He put me through much."



【ポイント】"through"のニュアンスをうまく使う。


"through"のニュアンスは、「スルーする」といった形でカタカナ語で使われることがありますが、動詞ではありません。主に前置詞や副詞として使われます。


また、「ドライブスルー」「シースルー」のように使われることもあります。これはどちらも「通す/通る」イメージです。英語でも使います。


「ドライブスルー」は、"a drive-through"のように、ハイフンで結んで、車を降りないでサービスを受けられるレストラン等のことです。
また、形容詞として、"drive-through pizza restaurants"のように使います。


「シースルー」もハイフンで結んで、形容詞として使うと、
"a see-through blouse" (透けて見えるブラウス)という意味になります。


"see through"を句動詞として使うと、人や、物目的語にして、次のような意味になります。(ロングマンより)


① 見透かす
I saw through his excuses.
彼の言い訳を見抜いた


I could never lie to her because I know she’d see through me straight away.
すぐに見透かされちゃうの分かってるから彼女にウソはつけないわ。


② 見通す
It’ll take a lot of effort to see the project through.
そのプロジェクトの見通しがつくまで頑張るよ。


③ 切り抜ける
I’ve got enough money to see me through six months of unemployment.
6ヶ月失業しても切り抜けられるようなお金は充分ある。



このように"thouth"には、「通す」というニュアンスから、「抜く」、「貫く」という日本語表現にもなります。


"get / make through"もよく使われる英語表現です。



You’ll never get through – the snow’s two metres deep.
行き着くのは無理だよ。雪が2メートル積もってる。

Rescue teams have finally made it through to the survivors.

救急隊はついに生存者の元にたどり着いた


If you can just get through today, the rest of the week will be much easier. : 
今日一日乗り切れば、今週はずっと楽になるわ。


さて、今日のフレーズにある、"put through"も同様のニュアンスがあります。


① 電話をつなぐ
Could you put me through to Eddie??
エディにつないで下さいますか?


② 学校に通わせて卒業させる
She worked as a waitress and put herself through school.
ウェイトレスとして働いて、学校を卒業した。


③ 苦労させる
The soldiers were put through eight weeks of basic training.
軍人たちは8週間の基礎トレーニングを受けさせられた


My family were put through things they had never ever experienced before.
私の家族はそれまで経験してこなかったような苦労をさせられた(苦労をした)。


Englishラボのらぼでした。