らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

517. 痛みをしゃべりまくって吐き出してました。

Scenario : 私の大好きな叔父が亡くなったという報せを受けた。あまりに突然のことでとてもショックだ。一人でいると耐えられないので、すぐに実家に帰った。妹がいたので・・・。


「痛みを喋りまくって吐き出してました。」




"I was talking away my grief."



【ポイント】句動詞は一つの動詞のように使う。


句動詞(phrasal verb---群動詞ということもあります。)は、一つの動詞に前置詞や副詞がついて、一つの動詞のように使う用法です。


副詞は、元来動詞の意味にさらに意味を付け加えるものです。


pick → 拾う
pick up → 拾いあげる


といったように、日本語でも"up"(上げる)を付け足すことで、さらに詳しく動作を説明することができます。


今日のフレーズの"talk away"の"away"は副詞です。"away"には、「離れる」「違う方向に向かう」「なくなる」「消える」「除く」などのうニュアンスがあり、今日のフレーズでは、「なくなる」「除く」といったニュアンスを動詞に組み込んだ形です。「しゃべりまくって、痛みを取り除く」といった感じになります。


そもそも、"talk"は普通は、自動詞で使うことが多く、「~について話す」という時は"about"が必要です。ですから、文法的には、"talk away about my grief"となるはずです。つまり、"talk away"となっても、後ろに目的語を置けないはず。ですから、このフレーズをネイティブが使った時に、特殊な使い方だと思ったので、メモしていました。


このシチュエーションの場合、「悲しみについて話し続ける」というより、「悲しみを語り続ける」といったニュアンスがほしかったので、"about"を使わず、"talk away"で一つの他動詞のように使ったのだと思います。


というのも、"talk"には、" to discuss something serious or important with someone"(何か真面目なことあるいは大切なことを人と話し合う---ロングマンの定義)のときは、「~を語る」と言った感じで、他動詞でも使う用法があり、("talk politics"や"talk business"、"talk sports"のように)今日のフレーズの場合もこれに当たると考えます。


ちなみに、"grief"は「大きな悲しみ」のことで、主に大切な人やものを亡くしたときに使います。


文法的な説明がどのようなものになるにしろ、こういう言い方があるんだ、と思って得した気分になったので、載せることにしました。



Englishラボのらぼでした。