らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

634. 平常心でな!

Scenario: オーディション番組が面白い。世界中から自分の特技を見て認めてもらおうと多くの人が押し寄せるのだ。緊張している次の出番を待っている人に、司会者がひとこと声をかけた。


「平常心でな!」




"Make yourself normal. "



【ポイント】"make"という動詞で、変化を表すことができる。


学校文法では、使役動詞という名前で、"make"と"let"を対比させて、
"make"は「強制」
"let"は「許可」
を意味する、「~させる」である、と教えます。


教える側からすると、とても教えにくいところです。
その原因は、日本語の「させる」という表現にあります。


学校では「使役動詞」という文法用語を使って教えていますが、ロングマンやマクミランの辞書で、"make"のところを見ると、日本の教科書とは全く違った扱いをしています。


causative verbs (使役動詞)という分類の仕方はしていません。例文はすべてロングマンからです。



to cause someone or something to be in a particular state or to change to another state
(主語が原因となって)人やものがある状態になること、あるいはほかの状態に変わること



 This film always makes me cry.
この映画はいつも私を泣かせる。


 I know enough Japanese to make myself understood.
私は自分を分かってもらえるだけの日本語を知っている。(日本語をよく知っているから分かってもらえる。)


The noise in the school makes learning difficult.
学校がうるさくて学習が困難だ。(学校の騒音で勉強ができない。)


The smell of fish makes me feel ill.
魚の匂いで気持ち悪くなる。


That haircut makes you look ten years younger.
その髪型すると10年若く見えるよ。


Listening to the news just makes me angry.
そのニュースを聞くと腹が立つ。


 It was television that made her so popular.
彼女をとても人気者にしたのはテレビだった。


I’d like to make it clear that I had nothing to do with this.
私はこの件と何も関係がないということをはっきりさせておきたいと思います。


It was this movie which made him a star.
彼をスターにしたのはこの映画だった。


I like him because he makes me laugh.
彼は私を笑わせてくれるから好きだ。


She made it known that she was the mayor’s wife.
彼女は自分が市長の妻であることを知らしめた。


Make yourself known.
自分の存在を見せつけてこい。





② to force someone to do something
人に何かをすることを強制すること



 They made us work for 12 hours a day.
彼らは私を一日に12時間働かせた。


They made him tell the truth by depriving him of food.
彼らは彼に食べ物を与えないことで真実を話させた。



②は、 ①に比べて極端に例文が少ないです。
学校で、"let"と対比させて、教えることを不自然に感じるほどでした。


いっそ、「使役動詞」という文法用語を使って教えるのを止めたらどうでしょう。



Englishラボのらぼでした。