らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

842. 私の早とちりだったかも。

Scenario: レストランを経営しているのだが、再び、新型コロナウィルスの緊急事態宣言が発令されそうな状況になってきた。アルバイトを一人解雇してしまったが、なかなか緊急事態宣言は出されず、

「私の早とちりだったかも。」



"I may have been a little hasty."



【ポイント】助動詞+have +過去分詞の意味するもの。


「助動詞+完了形」は、学校のテキストでは普通、「助動詞」のところと、「仮定法過去完了」のところで学びます。次のような形です。


● would have + 過去分詞              ~だっただろう
● may/might have + 過去分詞   ~だったかもしれない
● should have + 過去分詞            ~すべきだったかもしれない
                        ~のはずだった      
● could have + 過去分詞              ~できただろう
● must have + 過去分詞               ~だったに違いない


学習者から寄せられる質問が多いものをあげますね。


Q.1. この形は、「仮定法過去完了」ではないのですか?


A.1 仮定法過去完了です。


学校のテキストで出てくる例文には、
"If I had taken your advice,  I could have been rich."
(あなたのアドバイスを聞いていたら、金持ちになっていたのに。)


のように、"If ~"(従属節)がある例文が多いですが、主節の"I could have been rich."は、接続詞"If"のある従属節がついていなくても、切り離して独立して使うことができます。
この形が今日のフレーズになります。


過去完了"had +過去完了"が使われているのは、Ifがついている従属節だけで、主節では、助動詞があるため、後ろが原形となり、could had been(×)にはならず、"could have been"となっています。



Q.2.仮定法過去完了では、主節のかたちは、「助動詞の過去形+have+過去分詞」と書かれています。ですが、参考書の「助動詞」のところに、「may +have+過去分詞」という言い方があって、推量の気持ちが強いときに「might +have+過去分詞になる」とありますが、どうしてですか?


A.2. 仮定法過去完了では、


"If he had left home at 8, he might have been late." 
(8時に家を出ていたら、遅刻していたかもしれない。)


になって、実際は8時に出発したので、遅れなかった、ということを表しています。後半は主節で、接続詞が付いていないので、独立して使うことができます。


"He might have been late."   (遅刻してたかもしれないね。)


"If"節"つまり「もし」の部分がない場合、"might"のかわりに"may"にしてもいいです。"might"にすると、仮定法過去完了であることが強く伝わるので、「~だとしたら」と
"If"の部分がなくても、仮定のニュアンスを強く出すことができます。結果的に「推量の気持ちが強い表現」となります。



Q.3. "mustは、"had to"にしなくていいのですか?


A.3. "must"と"should"は、現在形と過去形が同じ形で使えます。


"must"が、"had to"になって、「~しなければならなかった」という意味になるときは、「だからした」なのか、「なのにしなかった」なのかがわかりません。


仮定法過去完了では、「しなければならなかったのにしなかった」を表すときは、"must +  have +過去分詞」ではなく、「should + have +過去分詞」を使います。


「must + have +過去分詞」は、「~だったに違いない」という意味の時に使います。



Q.4."must have +過去分詞」は、「~だったに違いない」ではなく、「~に違いなかった」とはなりませんか?


A.4 これは日本語の問題です。もし、「~に違いなかった」という方が、文の中でふさわしい表現だと思えばそれでもいいし、日常表現としは不自然だと思うなら、「~だったに違いない」というのだと訳してもいいのです。英語では、「過去に起こったことに対する確信」が伝えられればいいのです。



また、文法のことで何か分からないことがあったら、どんなことでも言ってください。たまにはブログでこうしてシェアしたいと思います。



明日は、「親は応援してくれてます。」です。
読んでね。



Englishラボのらぼでした。