らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

898. メディアもネタ切れなんだよ。

Scenario: 最近はどのチャンネルでも報道番組は同じだと感じる。そして同じ内容の繰り返しのようで新鮮さがなく、時にうんざりする。CMの後はその前と同じ映像が流れ時間稼ぎかと思うこともある。夫がこう言った。


「メディアもネタ切れなんだよ。」



"The media are obviously hard up for stories."



【ポイント1】"hard up"は意外な意味だけれど、使える。

"hard up"は句動詞のように見えますが、"hard"は動詞ではなく、形容詞なので句動詞ではありません。副詞の付いた形容詞です。


2つの使い方があります。(例はロングマンより)


① 充分なお金が無い


I’m a bit hard up at the moment.
今ちょっと、懐が寂しくてね。

Scott was pretty hard up, so I lent him $20.

スコットがすごくお金に困ってて、私が20ドル貸したの。




② 欲しいものを持っていない


I'm so hard up for entertainment.
なんか楽しいことないの?


‘How about a date with Tom?’ ‘No, thanks, I’m not that hard up.’
「トムとつきあえば?」「ありがとう、でもやめとくわ。そこまで困ってない。」




【ポイント2】"story"の「物語」意外の意味は、日常でよく使われる。



「物語」という意味以外で使われる"story"の例を3つあげます。
(ロングマンを参照しています。)


① 新聞や報道番組が伝える最近起こったニュースのこと


a front-page story  一面記事

‘The Observer’ ran a story about the scandal.

「オブザーバー新聞」はそのスキャンダルを記事にして載せた。


cover story  カバーストーリー
(雑誌の中のメインストーリーで、表紙にその写真がついている)



② 聞いた話 / 人が言っていること(本当かどうかは分からない)


Her parents did not believe her story.
彼女の両親は彼女の話を信じなかった

First, he wanted to hear Matthew’s side of the story.

まず、彼はマシュー側の話を聞きたかった。



③ 言い訳 / 作り話  (事実でも架空でもいい話)

Where were you? And don’t give me some story about working late!

どこに行ってたんだ?仕事が遅れてる言い訳をするんじゃないよ。


What's the story?   
どうしたんだ? / 説明できる? / 何が起こったんだ?



【ポイント3】日本語では、主語に「は」や「が」ではなく、「も」を使うことがある。



日本語で「は」や「が」を使うと、主語を強調しているように聞こえることがあります。


「も」を使うことで、その強調をやわらげることがあります。主語ばかりではなく、他のものもそうだけれど、それは言うに及ばない、「~はもちろんそうだけれど」、「他にもあるがそれはとりあげるまでもなく・・・」といったニュアンスで使う、日本独特のあいまいさの表現です。


お日柄も良く・・・
天気もよくなってきたことだし・・・
桜の花もほころび・・・
嵐もおさまったことですし・・・


これらの「も」を、"too"を使ったり、"also"を使ったりして表現すると、聞いている側は、「他に何があるのかな?」と思ってしまいます。


文脈で、あいまいさを示している「も」だなと思ったら、"too"や"also"は使わないようにしましょう。



明日は、「助手席の下にひっかかってたの。」です。助手席は、"assistant seat"ではありません。
読んでね。



Englishラボのらぼでした。