らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

1638. そうとがった言い方するなよ。

Scenario: 夫とケンカになると、普段使わないような口調で言い返してしまうことがある。今日もつい荒っぽい言い方になってしまい、夫にこう言われた。


「そうとがった言い方するなよ。」




"Don't take that tone with me."



【ポイント1】"Don't you ~."が否定命令文になる場合。



今日のフレーズは、否定命令文のイディオムとして使われます。


多くは次の2つのパターンになります。


"Don't take that tone with me."  ← ロングマンより
"Don't you take that tone (of voice) with me." ← マクミランより



ロングマンでは、
"Don't take that tone with me."
について次のような説明があります。


don’t take that tone with me (=do not speak to me in that rude or unpleasant way)
私にそんな失礼、または不愉快な言い方をしないで、という意味になる。


マクミランでは、


Don’t you take that tone of voice with me (=don’t speak to me so rudely)!
そんな無作法な口調で言わないで、という意味になる。


と説明されています。


どちらにしても、ここの"tone"は、「口調」という意味です。


マクミランが示しているフレーズでは、"Don't you take ~"というように、"you"が入っています。


この場合、「~しないのですか?」という疑問文と同じ形ですが、最後にクェスチョンマークがないことで、否定命令文になります。これは疑問文ではないので、イントネーションは下がり調子になります。疑問文なのか、否定命令文なのかは、イントネーションが上がり調子なのか下がり調子なのか、あるいは相手の態度や会話の流れで判断することになります。



【ポイント2】"tone"(トーン)の使い方。


今日のフレーズは、"tone of voice"のことなので、「口調」という意味で使われています。


このほかの"tone"の使い方を含めて整理します。(ロングマンを参照しています。)


① 「声」に関して使う。(可算)


‘You must be Annie,’ he said in a friendly tone.
「アニーだよね。」と彼は親しげに言った。


There was urgency in his tone.
彼の口調には切迫感があった


Her tone was sharp with anger.
彼女の口調は怒りに満ちていた。


It was obvious from her tone of voice that she didn’t like me.
その口調から、彼女が私を嫌っていることは明らかだった。



② 「音」に関して使う。 (可算、不可算)


the quality of a sound, especially the sound of a musical instrument or someone’s voice 
音の質、特に楽器の音や人の声



the guitar’s clean tone    
ギターの澄んだ音色


They talked in hushed tones.
彼らはひそひそ声で話した。


‘No I didn’t,’ he said in a low tone.
「私はやっていない。」と彼は静かな調子で言った。


even-toned  淡々とした
an even-toned voice    落ち着いた感じの(感情的ではない)声で 



③ 「感情や態度」に関して使う。 (単数扱い、不可算)


the general feeling or attitude expressed in a piece of writing, a speech, an activity etc
文章、スピーチ、活動などで表現される一般的な感情や態度


The tone of the report was radical.
報告書の論調は過激だった。



The meetings were noted for their deeply religious tone.
会議は宗教色が濃いことで知られていた。


The article was moderate in tone.
記事は穏健な感じだった。


Opening remarks are important since they set the tone for the rest of the interview.
冒頭の発言は、インタビューの残りの部分のトーンを決めるので重要である。



④ 「色」に関して使う。 (可算、不可算)


one of the many types of a particular colour, each slightly darker, lighter, brighter etc than the next 
ある特定の色の多くの種類の一つで、それぞれ隣りの色よりわずかに暗い、明るい、など
→色調


Perhaps a darker tone would be better.
もっ暗いトーン方がいいだろう。


your skin tone
肌のトーン


The dried colour is slightly deeper in tone than it appears when first applied.
乾燥した色は、最初に塗ったときよりもやや濃いトーンになる。



⑤ 「電子機器」に関して使う。 (可算)


a sound made by electronic equipment, such as a telephone
電話などの電子機器が発する音



Please leave a message after the tone.
ピーという音の後にメッセージをどうぞ
dial tone    呼び出し音
busy tone    話し中の音



⑥ 「筋肉や肌」に関して使う。  (不可算)


technical  how firm and strong your muscles or skin are
技術的用語で、筋肉をの強さや、肌のハリ


A regular brisk walk will improve muscle tone.
定期的に速足で歩くことで筋肉の調子が良くなる



⑦ 「音楽」に関して使う。   (可算)


 technical the difference in pitch between two musical notes that are separated by one key on the piano 
音楽用語で、ピアノの隣り合った鍵盤で区別される二つの音符の音程差


There is a falling tone on the first syllable and a rising tone on the other.
最初の音節にはフラットの音調があり、もう一つには、シャープの音調がある。



車や家の壁の「ツートンカラー」は、"two-tone"で、


 having two different colours or sounds
2種類の色や音をもっている


という意味の形容詞です。


two-tone shoes   ツートンカラーの靴

a two-tone alarm  2種類のアラーム


ジムでは、「バレトン」というエクササイズをやっているところがありますが、これは、バレエの基本的な動きをエクササイズとしてとりいれたレッスン、"ballet tone"のことです。「ツートン」にしろ、「バレトン」にしろ、日本に入って来た"tone"は、「トーン」になったり、「トン」になったりしています。


"tone"を使った会話文を考えてみましょう。
できたらコメント欄で送ってね。


明日は、「ごゆっくりどうぞ。」です。
読んでね。

Englishラボのらぼでした。