らぼのEnglishラボ

会話やライティングに役に立つ英語表現を様々な角度から紹介しています。

267. 大変だったわね・・・。

Scenario : 都会育ちの私が、田舎への移住を決意した。夫の退職に伴い、夫の夢である自給自足ができる田舎へ移ることにしたのだ。そこで野菜を作る毎日を始め、色々な野菜を収穫できた。しかし都会のようにコンビニが近くにあるわけでもなく、近所とのおつきあいもなかなか大変だ。でも、2年たってやっと慣れてきた。都会時代の友人が遊びに来てくれて、ひと言。。。


「大変だったわね。」 



"That couldn't have been easy."


【ポイント】助動詞の過去形+have +過去分詞で様々な気持ちを伝えることができる。

今日のフレーズでは、「それは簡単ではなかっただろうね・・・。」→ 「それは、楽ではなかったでしょう・・・。」「たいへんだったわね。。。」と、過去を振り返って、推量を伝えています。



この形は、いわゆる学校英語で習った、仮定法過去完了の主節の部分です。
If I had lived in a big city, I couldn't have bought a house.
もし都会に住んでいたら、家は買えなかっただろう。


学校では、まるで公式のように、
"If + S+ had +過去分詞.... S + 助動詞の過去形 + have +過去分詞..."  
を覚えて、なぜ過去完了なのか、なぜ現在完了が使ってあるのか?という疑問を持った方も多いと思います。


まず、公式を覚えようとするのはやめましょう。そもそも、ここでの過去完了とか現在完了というのは、「~してしまっていた」(過去完了)とか、「~したところだ」(現在完了)といった意味にはなりません。


そもそもif節が条件を表す副詞節を作る接続詞の場合、if節の中に時制でならった過去完了形は来ません。ここで、"had 過去分詞"を使っているのは・・・。

過去に実際起こらなかったことを、起こったと仮定して言うためなのです。
「(あのとき)~ということが起こっていたら・・。」というように。


そうすると、主節でも、
「・・・だっただろうに・・・。」が続きます。


もちろん否定の"not"を使えば、逆になりますが。


この形で主節の部分だけを言うことが多いのです。
If 節の部分は、会話の中でお互いが分かっているからです。


I should have done it.    これをすべきだったなあ。  
You could have done it.   できただろうに。
You might have come.    来たかも。
He shouldn't have been there. 彼、 そこにいるべきじゃなかったのになあ。
You shouldn't have done this.   こんなことしなくてもよかったのに。。。
This must have happened.   こういうことが起こっていたに違いないよ。


など、義務や、可能性のニュアンスを助動詞で表します。助動詞の後に過去形を置くことはできないので、have + 過去分詞 の形を持ってきているだけです。いわゆる時制の現在完了とは違います。
文法書にも、「現在完了」と書かないで、"have + 過去分詞"と書かれているはずです。


Englishラボのらぼでした。